抹茶ラテとカフェイン
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現代では、多くの人が自分の食べるものについてカロリーや栄養分に添加物など様々なことを気にしながら生きている。それに比べれば、食べ物よりも長く多く摂取しているはずの飲み物に関して気を配っている人が少ないように思えるのは気のせいだろうか。今回は嗜好飲料について考えてみる。
コンビニでも抹茶ラテ
季節がまだ夏だった頃、綾鷹の抹茶ラテが復活した。どうやら大人気商品だったようで、どうにかして初日に手に入れたいと主張する知り合いにコンビニを連れ回された覚えがある。それと同時期にクラフトボスも抹茶ラテの発売を開始した。
日本コカ・コーラのブランドである綾鷹とサントリーのブランドであるクラフトボスが戦線を拡大してバチバチに企業間競争をしている構図が見えてしまい、思わず苦笑してしまったのも懐かしく感じるくらいだ。
当時は150円超の商品ということもあって、自分からわざわざ買おうという気はしなかった。しかし、それから数か月経ったある秋の日、僕は再び抹茶ラテとの出会いを果たしたのだ。それはスーパーマーケットでのこと。なんと期間限定で70円強で売っていたのである。僕の心は買うか買わないかで大きく揺れていた。
嗜好品と必需品
僕は飲み物を二つに分けて考えている。嗜好品と必需品だ。必需品とは「主に水分補給を目的として口にする、健康に配慮した飲料」のことで、嗜好品は「主に楽しみのために口にする、体に多少良くなくても目をつぶる飲料」のことだ。例を挙げれば、お茶やミネラルウォーターが必需品、紅茶やジュースが嗜好品といったところだろうか。
嗜好品の話をすると、僕はまともに魔剤デビューを果たしたことがない。「魔剤」というのはオタク界隈の用語でエナジードリンクのことを指す言葉だが、その中でもモンスターエナジーを指すことが多いようだ。
さてこの魔剤だが、カフェイン含有量が多く徹夜で作業を続ける社畜やオタクのみなさんにとっては必要不可欠なもののようで、よくTwitterでも「元気の前借り」などと称してこれを摂取する姿が良く見られる。もちろん弊学の生徒会室にも空になった魔剤の缶が山と積まれている。
僕はというとカフェインを摂らなくても朝6時くらいまで普通に起きていられる人間で、高2の秋頃などは1日30分睡眠で暮らしていたくらいだから魔剤を必要としたことがない。コーヒーや紅茶も全くと言っていいほど飲まないので、カフェインとは無縁の生活をしてきたことになる。
カフェインとは
化学的性質
カフェインとは化学式 $${\rm{C}_{8}\rm{H}_{10}\rm{N}_{4}\rm{O}_{2}}$$ で表されるアルカロイドの一種で、そのIUPAC名は1,3,7-トリメチルプリン-2,6-ジオンだ。結晶は1水和物もしくは無水物として得られ、常温常圧で白色の針状または六角柱状で昇華性がある。
健康との関係性
中枢神経への興奮作用があり中毒死の症例も散見されるカフェインについては、多くの国が勧告を出している。下記ページを参考に確認してみよう。まず摂取量だが、成人であれば1日当たり400mgが許容量だとされている。
カフェインの過剰摂取について:農林水産省 (maff.go.jp)
ところで抹茶ラテについてだが、どうやら100mL当たり10mg程度含有されているらしい。これは果たして多いのだろうか? 文部科学省の日本食品標準成分表を元に比べてみよう。
日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp)
こうしてみると、ミルクココアには及ばないものの玄米茶やピュアココア並みにカフェイン含有量が少ないことがわかる。一般的にコーヒー1杯が120g程度であることを考えれば、抹茶ラテをペットボトル1本飲んだとしてもコーヒー1杯の70%ほどしかカフェインを摂取していないことになる。
ちなみに農林水産省によると、エナジードリンクのカフェイン含有量は多いものだと1缶当たり150mg程度らしい。抹茶ラテ1.5L分、コーヒー2.5杯分にもなる衝撃的な量だ。愛飲していらっしゃるFFの同級生・下級生たちにはぜひ気を付けてもらいたい。
さいごに
抹茶ラテに含まれるカフェインは比較的少なく、安心して飲むことができる量だと分かった。その一方でカロリーは相当高く、あくまで嗜好飲料であることを忘れずに健康的な生活を心がけたい。
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【付録】カフェインの語源
caffeine (英) < caféine (仏) < caffè + -ine (伊)
※ caffè は「コーヒー」の意。-ine は「~のようなもの」というニュアンスの接尾辞だが、ここでは「~の性質をもつもの」「~に含まれる特異なもの」という意味で用いられている。
caffè (伊) < قهوه (オスマン) < قَهْوَة (刺)
※ イスラム教では飲酒が禁止されていたため、もともとは「ワイン」を意味していたアラビア語 قَهْوَة は同じく覚醒作用を持つ「コーヒー」へと意味が変わっていった。
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