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趣味¦私の名刺代わりの10冊

今回は大好きな本の紹介です。

これまでに読んだ中から、自分の価値観を変えた本、忘れられない言葉に出会えた本、物語の面白さを教えてくれた本を選びました。

●  私を支えてくれる本の存在

本って不思議です。
あちらから迫ってくることは決して無いし、長い間、放置していたって文句は言いません。
ただ静かに佇んで、いつもそばにいてくれます。言葉の持つ力はとても大きくて、自分の価値観を根底から変えてしまうこともあります。私は本の存在にいつも支えられています。

●  時期によって好みに変遷はある

今回10冊に絞ってみて、恋愛小説が多いこと、女性作家の作品が多いことに気がつきました。
数ヶ月後、数年後にはきっと違った作品が加わっているだろうと思います。
本の好みはその時々の悩みや環境に左右されるので、現在の自分の状態について知るきっかけにもなります。


🤍 📖´-  私の名刺代わりの10冊 ✡︎⋆꙳

角川武蔵野美術館にて。

1.村上春樹 「海辺のカフカ」

一見、繋がりのないように見える2つの物語が交差した時の意外な展開に夢中になりました。
物語中に登場する図書館のような場所が実際にあればいいのになあ…とも。思春期の瑞々しい感性と、何とも言えない不気味さと、何が起きようとしているのか先の読めないドキドキ感が大好きです。村上春樹ワールド最高。

2.島本理生 「あられもない祈り」

不倫を題材にした内容なのに全くドロドロした雰囲気がなく、静謐かつ繊細な文章の美しさに
魅せられた作品です。主人公の選択したエンディングと、「あられもない祈り」というタイトルの意味が合致した時、切なさに涙が溢れました。単独で感想記事を書いた位に好きな作品。

3.中山可穂 「白い薔薇の淵まで」

衝撃的な読書体験で、数日余韻が抜けませんでした。それまでに読んだどの恋愛小説とも比べようがないほど、自分の恋愛に対する感性や価値観が180度変わった1冊です。タイトルの美しさも大好き。この恋を遂げるために地獄に堕ちるのならば本望かもしれないと考えました。心臓と血と肉と骨を全て捧げるような恋愛。

4.江國香織 「ウエハースの椅子」

物語の雰囲気を色で例えるなら透明。素敵な部屋に暮らして、誇れる仕事があって、仲良しの姉妹と愛する恋人がいるのに全く幸せそうじゃない主人公。話が展開するにつれて絶望の色は濃くなっていくけれど文体はあくまで軽やか。
甘やかなのに虚しい。絶望しているのに幸福。
矛盾が愛おしい作品です。

5.小川洋子 「密やかな結晶」

小川洋子の小説はガラス細工のような繊細な文章が魅力です。「密やかな結晶」は物語の展開もとても面白くて一気に読んでしまいました。
不定期に物が消失していく世界で、少しづつ不自由になりながらも最後まで希望を捨てずに営まれる生活はおとぎ話のようでもあり、妙なリアリティもあり、薄らとした怖さもあります。

6.川上未映子 「すべて真夜中の恋人たち」

タイトルに惹かれて読み始めました。主人公の度を超えた内気さと不器用な性格にもどかしくなりますが、はじめて人を本気で愛した時の心理描写の数々があまりに美しく、ひたむきな思いの痛々しさに泣き出したくなります。
自分の気持ちから逃げずに、真っ直ぐに誰かと向き合うことの大切さを教えてくれる1冊。

7.太宰治 「人間失格」

太宰治は好きな作品がいくつもありますが、やっぱり此処に帰ってきてしまいます。ここまで
自意識にがんじがらめにされていては大層生きづらいだろうと考える一方で、「この主人公は自分なのではないか」と思わせられる作品。
代表作がずば抜けて暗いから誤解されがちだけど、太宰治の小説はユーモアに溢れています。

8.宮地尚子 「傷を愛せるか」

精神的に辛かった時期に救いになってくれたエッセイ集です。著者は精神科医でありトラウマ研究の第一人者の方。旅行記や幼少期の思い出の中に、トラウマの乗り越え方や心に負った傷との関わり方のヒントが散りばめられています。文体も柔らかいタッチで書かれているので読みやすく、色んな人にお勧めしたい本です。

9.國分功一郎 「暇と退屈の倫理学」

「なんだか哲学が気になるけど何から読めばいいかわからない」状況だった時に出会った作品。がちがちの哲学史ではなく、人間が暇と退屈を感じる根本的原因について追求している内容なので気軽に読み進めることができました。
難解な部分もあり、理解を深めるために再読必須だなと思ってます。読み応えは抜群!

10.原田マハ 「美しき愚かものたちのタブロー」

西洋美術が好きな方には断然オススメです。日本で初めての西洋美術館を創るために奔走した人々のドラマは、「こんな背景があったんだ」と新鮮な驚きに満ちていて、終始ワクワクが止まりませんでした。有名どころの西洋美術家の名前もたくさん登場します。美術館を訪れる時の心持ちが少し変わりそうな1冊。


以上、「私の名刺代わりの10冊」でした。

大好きな作品について振り返ることができて、執筆しながらとっても楽しかったです📗🧡
もし気になる作品があったら、是非手に取ってみてくださいね。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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