18年 8月に読んだ本の一言感想メモ
◆18年7月はコチラ
・『ロスト・シンボル(上)(下)』ダン・ブラウン★★★☆☆
いよいよ著者と主人公の本国アメリカが舞台。相変わらず謎解きが豊富で面白いのだが、過去2作(『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』)に比べると物語のスピード感がやや欠けるか。
・『傷だらけのカミーユ』ピエール・ルメートル★★☆☆☆
カミーユ警部三部作、完結編。はじめはさほど気にならなかったが三作すべてにおいて女性の過度な暴力シーンが登場するとなると、作者は過去に何か嫌な思い出があったのかとそちらが気になり物語に集中できなかった←
・『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン★★★☆☆
エッセンシャル=本質を求めるために無駄な作業をいかに減らすかを説いた啓発書。将棋の「読み」のプロセスに似ていて、広く浅くの『多動力』よりも本書の方が個人的にしっくりきた(たぶん読者の性格によると思う)。
・『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎★★★☆☆
4人組ギャングによる銀行強盗ドタバタ劇。軽妙なテンポの会話が続き、最後まで本を閉じることなく一気に読めた。ラストの伏線回収もお見事。
・『ロボット (R.U.R.)』カレル・チャペック★★★☆☆
SF小説に初挑戦。本書は「ロボット」の単語がはじめて使われた一冊で、また人工知能の発展は人類の破滅をもたらすという警鐘をいち早く鳴らした意義深い内容となっている。古典的名著だろう。
・『八甲田山死の彷徨』新田次郎★★★★★
日露戦争前夜の雪山行軍演習で日本兵199名が遭難し死亡した事件。著者は登山家でもあり描写が非常に生々しい。日本の悪癖である指揮系統の不徹底、データ軽視、精神論のゴリ押しはすでにこの頃から萌芽があったか。
・『思考の整理学』外山滋比古★★☆☆☆
1986年刊行で今なお売れ続けるベストセラー。従来の詰め込み型教育ではこれからのコンピューター社会を生き残れないぞ、という先見性に富んだ書き出しに驚き。ただ肝心な本論は観念的すぎてよく分からなかった。
・『日本を捨てた男たち』水谷竹秀★★★★☆
近年フィリピンで急増している困窮邦人(国に帰るお金がなく不法滞在を余儀なくされた日本人)の実態とは。本人の取材だけでなく日比両国を往来してきちんと関係者に裏付けを取る著者のジャーナリズム精神に感心した。
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