19年 2月に読んだ本の一言感想メモ
◆19年1月はコチラ
・『勝ちきる頭脳』井山裕太★★★☆☆
囲碁界史上初の七冠を達成した井山氏の自叙伝。近年話題のAlphaGOや中韓に後れを取る日本棋界の今後など貴重な話がたくさん聞けて良かった。また安全勝ちよりもリスクを取って最善を追究する姿勢は自分も見習いたい。
・『たった一人の熱狂』見城徹★★★☆☆
むかし角川書店で数多くのヒット作を世に送り出した名物編集者で現在は幻冬舎の社長。見城氏を一言で表現すれば熱血漢で、本来はこの手の根性論が苦手なはずなのに凄まじい筆力に引き込まれて一気読みしてしまった。
・『落日燃ゆ』城山三郎★★★★☆
先の大戦でA級戦犯として唯一処刑された「文官」にして元総理の広田弘毅。彼の前半生は避けられない戦争の運命に翻弄され、また後半の極東裁判の様子は客観的記述ながらカミュ著『異邦人』をどこか彷彿させる文学性を帯びている。一人の男の目を通しとっつきにくい昭和史が理解できる名作。
・『イマジネーション 今、もっとも必要なもの』赤川次郎★★★☆☆
ミステリ小説の巨匠・赤川次郎が学生に語った講演をまとめたもの。てっきり創作秘話や文章作法の話が中心かと思ったが、そのほとんどは次世代を生きる若者に向けた真摯なメッセージだった。良い意味で裏切られたよ……。
・『世界史とつなげて学べ 超日本史』茂木誠★★★★☆
ともすれば近視眼的になりがちな日本史をグローバルに説いた意欲作。通しで読むと日本は良くも悪くも中華の強い影響を受け続けてきたのがよく分かるし、また個人的な関心事であった元~清代における漢民族と周辺国(モンゴルや女真族)の関係性が時代ごとに整理されていて嬉しかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?