18年 5月に読んだ本の一言感想メモ
◆18年4月はコチラ
・『台湾自転車気儘旅』石田ゆうすけ★★☆☆☆
台湾は生きているうちに観光したい国の一つ。本書は食レポ中心(しかもめちゃくちゃ美味しそう)だが、欲をいうと歴史や美術などをもう少しバランス良く取り上げてほしかった。
・『OUT(上)(下)』桐野夏生★★★☆☆
夜間の工場で働く主婦たちがそれぞれの事情で殺人に手を染める犯罪小説。発売時点(1997年)の中流意識がまだ根強い時代では低所得者や外国人労働者の生活はかなり斬新だったはずで、実際大きな話題を呼んだ。ただ格差社会の現在ではさほどめずらしくない光景ですけどね。大丈夫か、日本……。
・『超AI時代の生存戦略』落合陽一★★★☆☆
来るべきシンギュラリティに向けてどう生きるかを多角的に考察した一冊。カタカナ語の多さが鼻についたが、内容には共感できるし有益だった。意味の分からない単語はその都度辞書を引きながらでも読む価値があると思う。
・『棋士とAI―アルファ碁から始まった未来』王銘エン★★★☆☆
囲碁棋士でありソフト開発にも携わる著者がAIと人間の付き合い方を説いた本。書店の囲碁コーナーにAlpha GO関連の本があふれている点からも分かるように囲碁界は将棋に比べてオープンでその姿勢から学べることは多い。
・『路傍の石』山本有三★★★☆☆
明治になって没落した武士の息子が苦労を重ねながら成長していく物語。本書は昭和初期の連載小説だが、垢ぬけた文体で現代人が読んでも面白い。しかし戦時の言論統制から作者が途中で筆を折ってしまった。残念……。
・『戦争にチャンスを与えよ』エドワード・ルトワック★★★☆☆
『中国4.0』著者の最新刊。「戦争は善悪は抜きにして"問題解決"の一手段であり、第三国が介入してストップさせるとかえって戦争状態を長引かせてしまう」という論旨で、たしかに一理あるがかといって傍観に徹するのもどうかと思う。まあ、中途半端に手を出すよりはマシなんだろうけど。
・『教科書では教えてくれない イエス・キリストと神武天皇』茂木誠★★☆☆☆
本の前半まるまるをなぜかインド宗教(バラモン教・ヒンドゥー教・仏教)で占められておりタイトルの該当部分は100ページにも満たない謎仕様。それはそれで勉強にはなったけど釈然としないなぁ……。
・『アイヌ学入門』瀬川拓郎★★★☆☆
アニメ「ゴールデンカムイ」の影響で。事前知識がほぼゼロなので専門的な本書を2割理解できたかも怪しいが、コロボックル(小人伝説)や金塊ラッシュの話など北海道の新たな一面が知れたのは大変興味深かった。
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