19年9月に読んだ本の一言感想メモ
◆19年8月はコチラ
・『海東青 摂政王ドルゴン』井上祐美子★★★☆☆
明代末期、満州族(金)の傍流の家系に生まれながらも、清皇帝の摂政まで昇り詰める話。中国サイドでなく満州の視点で描かれためずらしい一冊。
・『しょぼい起業で生きていく』えらいてんちょう★★☆☆☆
ガツガツ儲けるのではなく生活(衣食住)の余剰品をご近所にシェアしてゆるく生きようという発想。たぶん都会版「里山資本主義」なんだろうけど、全てのリアル人間関係を断ち切りたい僕にはちょっと合わない生き方かな。
・『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』山崎元、大橋弘祐★★★★☆
投資のド素人でもお金を無理なく増やせる方法を対話形式でわかりやすく解説。講師をつとめる山崎氏は「毒舌な池上彰みたい」だそうで草。結論だけいうと国債とインデックス型の投資信託がおすすめらしい。
・『未来国家ブータン』高野秀行★★★☆☆
国民総幸福量NO1の国家ブータン。顔の造形がそっくりにもかかわらず、なぜ自殺大国ニッポンとかくも差が生じてしまったのか。著者が最後に結んだ、「日本は今からブータンのようにはなれないが、もし江戸時代のまま近代化しなかったらそうなったかもしれない世界線」が非常にしっくりきた。
・『地図のない場所で眠りたい』高野秀行、角幡唯介★★☆☆☆
かつて早大探検部に在籍し、現作家という共通点をもつ両者の対談。高野本はこの2ヶ月で集中的に読んだので次は角幡本にチャレンジしたいですね。
・『賢帝と逆臣と』小前亮★★★☆☆
建国間もない清王朝・内外の地盤を固め、善政を敷いた康熙帝が三藩の乱(中国南部に拠点を置く漢族出身の功臣による反乱)を鎮圧するまでの話。
・『リヤカー引いてアフリカ縦断』吉田正仁★★★☆☆
文字通りリヤカーを引きながらアフリカを縦断する旅行記エッセイ。今日び世界一周は珍しくないけれど、現在地の地図とカラー写真が充実していたのはGOOD。文字以外を載せると出版社的にコストが大きいのか、こういう本って意外と少ないんですよ……。
・『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル★★★☆☆
ユダヤ人心理学者の著者がアウシュビッツなどの強制収容所で実際に体験した出来事を「医学的に」振り返る。絶望的な環境でも何とか生きようとする人間心理の移り変わりが克明に記されており大変興味深い。
・『このままだと、日本に未来はないよね。』ひろゆき★★★☆☆
テクノロジーの恩恵と必要性を説きつつも、堀江氏や落合氏ほど人類の未来に楽観的ではないひろゆき氏のAI観は僕の考えに近くて腑に落ちた。たしかに日本は斜陽かもしれないけど、まあ四季があるから……(震え声)。
・『「有名人になる」ということ』勝間和代★★★★☆
正直に申し上げるとTVや雑誌に引っ張りだこだったバリキャリ時代(2007~2010)の勝間さんは苦手だったが、カツマーブームが落ち着いた2012年に出された本書は自身を飾らず等身大で語られて好感が持てる。また今日SNSやYouTubeでインフルエンサーを目指す人にも学びが大きい一冊と思う。
・『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑★★★★☆
アウトプット(話す・書く・行動する)に関するお得情報を「これでもか!」というほど詰め込んだ本。「インプットとアウトプットの黄金比は3:7」だそうで、僕も普段からブログやSNSで意識して出力しているつもりだったけど、本書を読むとまだ全然足りてないなと反省。
・『ブチ抜く力』与沢翼★★★☆☆
「まずセンターピン(物事の本質)がどこにあるか考える。次はただそれ一つだけに全力で集中し、最短・最速で結果を出す。一度ブチ抜いた存在になればあとは楽になる」。要約するとこんな感じ。前に読んだ与沢本よりも自慢が半分程度に抑えられ、ためになる話も多かった。
・『空白の五マイル』角幡唯介★★★★☆
最後の人跡未踏の地・ツアンポー峡谷に挑むノンフィクション冒険記。道中、過去の探検家たちのエピソードを挿入することで臨場感をかきたてる各章構成が素晴らしい。また公の情報がほとんど伝わらない中国チベット問題の深い闇が垣間見れる。
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