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…てことは? ドラマ「SPELL」最終回 やっぱりカオスなドラマです
現代にも生き続けるシーラカンス
白亜紀に絶滅したと思われた古代種が、現在も生き続けていることから「生きている化石」とも呼ばれる
そしてBSの深夜とはいえ、まるで70年代80年代の自主制作のようなクオリティで放送されているこのドラマもある意味「生きた化石」と言えるかもしれません
メインタイトルが「SPELL」とありますが、2009年公開・サム・ライミ監督のB級傑作ホラー「スペル(原題:Drag Me to Hell)」とは無関係です
霊能師を扱った映画なのでもしかしたらモチーフとか元ネタにした…という可能性もありますが真偽不明です
ということで『寺西一浩ミステリー「SPELL」緑の猿の逆襲』
15日の深夜に最終回を迎えてしまいました(全4話)
が!
結局、何だったんだろう???
何を見せられていたのか不明ですw
劇中ではもっともらしい事を言っていますが、何が事件で、何が解決して、どうなったのかは全くもって不明です
ドラマをご覧になった方の頭の中は???マークが炸裂していることと思います
結局、このドラマ内で解決したのは
病院が原因で不審死したと思われた女性は、実は自分が生きながらえることで家族に迷惑をかけるからと、看護師にお願いしてもらった薬による服毒死(自殺)だったことが判明したくらい?
まぁ心を落ち着けて第4話を振り返ってみましょう
番組冒頭は「前回までのあらすじ」と称した謎のダイジェスト
そのナレーション全文を書き起こしてみました
前回までのあらすじ
親子3代で霊能力者を営む馬飼野家の初代・霊山(大村崑)と孫で3代目の俊平(寺西優真)は厚生労働大臣・西岡(長谷直美)から依頼を受け、調査のため自宅を訪れていた
西岡からの依頼は不思議な音などポルターガイスト現象の調査の依頼だった
調査をする中、他に異常は無いかと尋ねると困った顔をする西岡
どうやら娘の孝子(久田莉子)が目を覚まさないようだった
西岡の政治塾に通う遠藤(井澤巧麻)から孝子が目覚めたと報告を受け、部屋に向かうが俊平は不穏な気配を感じた
その時、孝子が急変し、何かが憑依したかのように苦しそうに悶え始めた
遠藤が霊と話したため、影響を受けてしまい除霊を試みる俊平も強い悪霊(紅ゆずるー龍崎役と2役)の力で首を絞められ意識が飛んでしまう
目覚めるとそこは病院で
「俊平」が「遠藤」になっていた
馬飼野家に戻るが、霊山から眼の前にいる遠藤が”俊平”だと言われてしまう
俊平は”遠藤”と認知されて途方に暮れる中
以前取材を受けたテレビ局員に相談する
しかし紹介された病院でも俊平であることは証明出来なかった
ただ過去の記憶を語ることで同行した記者からは俊平だと断定された
世の中では俊平と遠藤が入れ替わっている状態なため
俊平は引き続き調査を始める
入院している病院の看護師(梅山恋和)に説明しても遠藤だと言われ
交通事故で緊急搬送されたと言われるが俊平にはその記憶が無い
そんな中、遠藤は”俊平”として新興団体・緑光会の幹部に任命された
一方、入院が長引く中、看護師は俊平を認知していく
そして俊平は情報収集に成功し、病院の裏話や緑光会の情報を得る
事態の原因は緑光会にあると考えた俊平は
看護師からの情報を元に解決へと動く
調査を進めるために霊山から幽体離脱に必要な道具を借りに行く
その時、違和感に気づくと霊山はアイコンタクトで俊平に何かを伝える
霊山は俊平が”遠藤”と入れ替わっていないことに最初から気づいており
真相を確かめるため騙されたふりをしていた
俊平は幽体離脱をしてみると驚きの事実が判明する
病院内で薬による安楽死を促した看護師がいたのだ
その看護師は大沢で俊平も世話になっていたため認識があった
さらに真相を追求しようとした時、またもや悪霊に邪魔され
俊平の幽体離脱は解けてしまう
看護師が関わっていること
病院が裏でやっていることが判明し
解決の糸口を掴んでいく俊平
しかし俊平の行動はすべて監視されていた
霊山が騙されたふりをしていたのもその監視を欺くためだった
監視が続く中でも俊平は看護師の木谷と病院の悪事を晴らすべく計画を立て
馬飼野家も独自に調査を進め、緑光会の裏側を突き止める
俊平と入れ替わった遠藤が緑光会の幹部になっていることを利用し、教団の内部に侵入
俊平の母・紀代子(北條透子)が一部の信者の催眠を解くことに成功
俊平はついに「緑の猿」が緑光会と深く関わっていることを知る
一方、西岡は俊平の処分を助手に急がせるがうまくいかない
西岡と助手の会話を聞いた家政婦の山村は俊平に相談するため
馬飼野家にやってくる
霊山は騙された芝居をやめて俊平と作戦会議し
西岡の真の目的と黒幕・龍崎(紅ゆずる)の存在を知る
西岡は政治資金のため、信者に安楽死を促し龍崎を利用
龍崎は緑光会の運営を担い、西岡の元秘書というドス黒い関係が構築されていると俊平は予想
今回の事件も「緑の猿」が深く関わっていることを知り事件解決のため
因縁の「緑の猿」が祀られている緑光会に乗り込むことになった
緑光会に乗り込むと看護師の木谷と遭遇する
教団の危険性を説明し、今から乗り込む決意を伝えるが木谷も催眠にかかってしまう
俊平はついに西岡と対峙し、「緑の猿」との因縁を断ち切ろうとするのだったが…
いやぁぁぁ〜〜〜
ここまで6分です(番組全体は25分)
長々としたナレーションでここまでの展開を振り返ってますが、1〜3話を見ただけでは知らなかったことも含まれてますw
しかも矛盾点も多々含まれています
このナレーションを解析して、改めて1〜3話を見ると初めてわかった・判明したことがあるというとんでもないドラマです
といっても、ナレーションで説明しているようなことは、ドラマを見ているだけ(演技やセリフからだけ)では分からないですw
ナレーションと映像の非同期ぐあいがヒドイせいもありますが…
そしてここからは第4話の内容
いわゆるネタバレ?ですが、ネタバレしようが無いほどストーリーは混沌のひとことです
結局「緑の猿」は何だったのか?
ーーー判明しておりません
「緑の猿」が何をしたいのか?
ーーーわかりません
「緑の猿」と馬飼野家との因縁とは?
ーーー今回のドラマの中では全くわかりません
さらに今回の事件の黒幕は何だったのか?
ーーーよくわかりませんw
上記”あらすじ”では、黒幕は「龍崎」(紅ゆずる)となっていますが、龍崎は西岡の元秘書だったが、西岡に愛想を尽かされ秘書を辞めさせられた
これに対する恨みなのかと思えば、龍崎は西岡の金集めに加担していたり、相変わらず西岡は龍崎を見下していたりと、立場の上下関係がよくわかりません
さらに龍崎が緑光会を作ったとしても、金集め以外に目的がよくわからない
金を集める為に安楽死を助長している理由もよくわからない
そしておそらくは「緑の猿」が”龍崎”に憑依し、世の中を動かして、今回の騒動が起きたと思われるのだが、
その結末は「呪い返し」で勝手に龍崎が死んだ(と思われる)ことで解決してしまいます
要は主人公たちは何もしていないところで勝手に事件が解決!?
”呪い返し”です
呪いを掛けたものは、その報いを受ける決まりなんだ
俊平のこのセリフひとつで事件は解決しました(笑)
結局、「緑の猿」とは何だったのでしょう
今回の作品の中では
何か目的(意図)をもっている存在なのか
触れると災いを招くような呪物なのか
持っていると願いが叶う系の呪物なのか…
全くわかりませんでした
第1作、第2作にあたる映画を見ていればわかるのでしょうか?
ただ一つ言えることは、今回の作品の中で主人公(俊平ほか馬飼野家)は何も活躍しておりません(笑)
俊平が幽体離脱したり、俊平の母が信者の催眠を解いたりしてはいますが、事件の本質とは無関係です
上記のごとく、勝手に”呪い返し”で事件は収束したようですw
ちなみにラストの方で看護師(梅山恋和)と”所得の少ない生活の苦しい人が多い””そのような人が苦しんでいる今の世の中”みたいな会話があるのだが、そんな”お金に苦しむ人々”の平和が今回のテーマのような…雰囲気でまとめていましたが、そんな壮大な話だったのか!?
絶句です!
ちなみに看護師木谷役の梅山恋和さん
このひどい作品の中の一服の清涼剤のような存在でした
可愛いです
ただ演技的にはよほど修行しないと、ドラマの中では今後出会えないと思われます
バラエティとかで出会えればと良いな思います
そしてドラマのラストカットは、よくありがちな「緑の猿」の絵を別の誰かが手に取る…という続編がありそうなラストカット
はたしてシリーズ4作目も作られるのでしょうか?
と、ここまで書いていて思い出した映画がありました
アメリカ映画「バーデミック」(原題:Birdemic)
※バードとパンデミックを掛け合わせたらしい
という作品
2010年に作られたホラー&ロマンス映画
某バラエティ番組で紹介されたこともあるので知っている人もいるかもしれません
ヒッチコックの「鳥」に感銘を受けた監督が自主制作で作った映画なのですが、これがヒドイのなんの(笑)
これはリハーサルなのか?と思うほど手を抜いた棒演技、恐怖を演出する鳥はすべて粗悪な合成で思わず笑いがこみ上げるほど
あまりにひどすぎる映画ゆえに、逆に観客の目に止まり、スマッシュヒットしてしまったという伝説のZ級映画
何を間違ってかDVD化もされていますが、残念ながら日本語には対応していません
こんな作品なのにヒットしてしまった為
「これは金の成る木」と勘違いしたプロデューサーが第2弾を作ろうと2作目が作られたのですが、1作目同様のヘタな演技は”わざとらしい”
粗雑な合成も”もう飽きた”と大コケにコケてしまったという伝説の映画です
何か同じ匂いを感じませんでしょうか?
映画版(第1作、第2作)があまりにもバカバカしかったので、ほんのちょっと一部で評価されたのを勘違いして、第3弾を作ってしまった
と考えると、どこか辻褄が合います
この制作陣が作るドラマ特有の”ひどすぎるが故にちょっと面白い”というユーモア性がこの作品には感じません
今回のドラマは”ただヒドイ”だけでした
次の作品は真っ当にくだらなくて面白い作品になることを願います
↓一応、今週いっぱいは無料で視聴出来ます(がオススメはしません)