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短編小説:朝の感触、日常の始まり

朝、目が覚めると、昨夜の酒がまだ体に残っている感覚があった。
頭の中に鈍い痛みが響き、胃の中には重たいものが沈んでいるような違和感がある。
無意識に手を伸ばし、ベッドサイドに置かれたミネラルウォーターを手に取る。生ぬるい水が喉を潤し、少しだけ体が落ち着く。

そのままベッドに横たわりながら、スマートフォンを手に取り、LINEニュースを開いた。
推しのアイドルが映画の制作発表会を行ったという記事が目に入る。
画面には、推しの横顔が美しく映し出されていた。
整った輪郭、柔らかな目元、そしてその唇——すべてが魅力的に映る。

その顔立ちは完璧で、ただ眺めているだけで心が奪われる。
ふと、あの顔が密やかな場所で情熱的にその唇その舌を動かす姿を想像してしまう。
互いに触れ合い、肌を感じる瞬間、その唇がその舌が触れるたびに、相手の体がわずかに反応し、吐息が漏れる様子が浮かぶ。

想像の中で、その美しい顔立ちがわずかに崩れ、瞳が潤む様子が浮かび上がる。
その姿を思い描くだけで、心の奥から熱が広がり、全身を支配していく。
理性では制御できない欲望が現実と幻想の境界を曖昧にし、一つの感覚が全てを凌駕していく。

推しの横顔を想像しながらAVサイトを開く。
スマートフォンの小さな画面に映し出される映像は、私だけの秘密の舞台のようだった。
男女二人が私の視界を独占し、指先が画面を滑り、再生ボタンを押す。

その美しい顔がクローズアップされる。
その視線、その唇、その舌の動きが私を掻き立てる。
画面の中の登場人物に重ねて、推しのその唇やその舌が私の股間を静かに這う様子が浮かぶ。

そんな妄想に身を任せながら、私の右手が動く。
推しのその唇その舌の動きと連動するように。

快楽の余韻が全身を包み込む。
呼吸はまだ少し荒いが、徐々に落ち着きを取り戻す。
時計を見て時間を確認し、ベッドサイドのミネラルウォーターを一口含む。潤いが心を落ち着かせる。

深呼吸を繰り返しながら心を整え、シャワーを浴びる。
水の流れが身体と心をリフレッシュさせてくれた。

新しい一日が始まる。
準備が整い、一歩踏み出す。
その先に何が待っているのか、ただ静かに迎える。

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