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質問する女子たち【史上最も醜い学級会】

⑬「今日の学級会ではセックスの相手を決めてもらいます。」史上最も醜い学級会が始まった!政府のとんでも政策、少子化対策案とは?T県中学校2年1組の生徒の運命は・・・

質問する女子たち

 「じゃあ、次はサク。」「はい。・・・いつか自分の子供に会えるんですか?」中橋桜らしい質問だ。この子の言葉や行動には、いつも正義や愛が裏打ちされている。生徒会やクラスの活動で一番私の力になってくれているのもこの子だ。こういう人間と友人になりたいと川中Tは思う。「・・・それも、残念だが叶うことはない。」母親になるという事がサクにはもうリアルに感じられるのだろう。親になった時には我が子に会いたいと思うのは当然だが、今それを想像できるのはさすがだ。きっといい母親になるだろう。「わかりました。誰も、会うことはできないんですね?」サクはもう一度、皆のためのように念押しした。「ああ、そうや。」「はい、ありがとうございます。」自分の子供に会えないということは、なかなか受け入れがたいだろう。皆も少し黙ってしまった。が、仕方のない事だ。私も割り切って事実のみを伝えるしかない。川中Tは少し気を引き締めなおした。「あの、今までの話にもう一つプラスしていいですか?」高橋ひなのがサッと手を挙げた。岩瀬恵真と明法寺紗理奈は、どちらもどうぞというジェスチャーをした。高橋ひなのはすごく精神年齢の高い子だ。谷亮介が達観のレベルだとすれば、高橋は仙人クラスだ。なにせ皆が将来をぼんやりと考える中、クラスでただ一人「いつか死ぬので、そこから逆算して人生計画を考えています。設定は90歳です。」と面接で平然と言っていた。もう死ぬことを前提として受け入れ、自分の人生に必要、不必要な事を分け行動している。おそらく友人はあまり必要と考えていないのだろう。休み時間は一人で難しそうな本を読んでいる。またお年玉で株を買っているいるらしい。今の1万円が、50年後に1000万になるかもしれないからだそうだ。その高橋の質問だ。当然皆が聞く必要がある内容だろう。「ん、何、高橋さん。」「あ、先に質問して大丈夫ですか。えっと、もしペアのどちらかが、子どものできない体だった場合はどうなるんですか?」むむ、よく急に言われた中で冷静にそこまで考えることができるなと思う。「たしかに、それはそうやな。・・よくそこまで考えることができるな。しかし、資料にはすべて目を通したが、今のところさっき言ったことしか書かれてないな。もし子どもができなかったら留年であると。ただ事前に健康診断は行うらしい。」「わかりました。そこはまだ決まっていないんですね?」「ん、そうや。すぐに問い合わせてみるわ。」「はい、ありがとうございます。」高橋ひなのは、それで納得したようだ。最後に岩瀬恵真と妙法寺紗理奈の質問が残った。

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