同人エロゲ「黒の迷宮」制作開始〜完成まで

今回は私のサークルで7月25日から販売が開始された同人アクションエロゲの制作開始〜完成までの流れをざっと書いてみようと思います。

ジャンル選び

前作のモン娘征服記バトルオーク(以下バトルオーク)が思いの外好調で、制作ツールであるアクションゲームツクールMV(以下アクツク)も徐々に慣れて来たところでした。
当然次回作はアクション系にするつもりでしたが、バトルオークが発売された前年に専業化していたため、あまり制作期間が長いものは作らないほうが良いと考えました。
元々はバトルオークを改良発展させたベルトスクロールアクションか、ストラテジー系のゲームを企画としては残していましたが、どちらも開発期間が1年を超えそうな上、ストラテジー系に至ってはまずそのジャンルがアクツクで作れるのかもわかりません。
ですので、まずは昔からある女性主人公が追跡者から逃げるゲームを作ることにしました。

逃げゲー

ジャンルが決まったので、あとはざっくりとした部分をどんどん詰めていきます。
・ゼルダの伝説と同じ斜め上から視点
・敵味方とも前後左右の移動のみ
・画面は1ステージ1エリアのみスクロールはあり
・主人公は一人
・敵は性癖に合わせて自由に変化が出来る物体やモンスターが良い
※こうすると追跡時は同じキャラクターで接触時にエロフォームに変形する形になり、素材の数を少なく出来る。
・エロは基本的にドットアニメ、もしCGを付ける場合はは早めに声掛けだけでもしておく
・エロアニメの作業効率をあげるため、エロの視点は固定してキャラクターの向きも正面と一部後ろからのみ
・マップ素材はツクール素材を使用し、BGM,SEはフリー素材、ボイスは前作の素材を流用する。
・言語はとりあえず 日本語と英語は最低限用意する。

このあたりをDiscordで個人のみのサーバーを作成し、そこに企画と進捗、アイデアなどのチャット欄を作成、そこに思いつく限り書き込みました。
こうすると基本的にDiscordは交流のために毎日使用していたので、自分のゲーム企画やアイデアなどをすぐに確認出来るようになります。
なにか通話中や作業中に思いついた事もすぐに書き込めるのでDiscordは本当に便利だと思いました。

素材の制作作業

マップチップの大きさは現在のRPGツクールの基本である48✕48としましたが、キャラクターはドットでエロアニメを作る関係上、48✕48ではかなり難しくなるので、縦✕横=96✕48くらいを想定して作成することにしました。
キャラクターの造形を色々と考えて作っていた時に、itch.ioというゲームやゲーム素材などを販売しているサイト(日本だと近いのはboothかな)で、ツクールのマップチップに合わせてもあまり違和感のないキャラの素材を発見しました。

こちらの素材はフリー版ですが、有料版は前後左右の待機、歩行、走行モーションがレイヤーを分けて収録されていました。
このキャラの大きさはかなり自分の理想に近く、表情や体の各部位の描き分けがやりやすいと判断し、すぐに利用規約を確認して問題がないため購入しました。
この素材のおかげで、プレイヤーの基礎ドットを打つ量が8割ほど減少したため、エロアニメの種類と枚数を増やそうという決断をします。

ゲームの細かい部分を詰める

ステージ毎にエロアニメの傾向を変えていこうと考え、総ステージ数を6つに決めます。
最初はステージクリアの条件もすべて同様にして作りやすいようにしようと考えていましたが、あまりにも単調になってしまう可能性があるため、ステージ毎にクリアの条件を設定することにしました。
前回のゲームでオプション画面を最初に設計しておくと楽だと知り、メイン画面はステージ選択+オプション、ギャラリー、ゲーム終了の4つに分けるように決めます。ギャラリーも前作の経験でかなりスムーズに作ることが出来ました。
最初からどのような機能が必要なのかがわかるとやはり作りやすいですね。

エロドットアニメ作成

基本的な設計が決まったら、あとはとりあえずエロドットアニメを作っていきます。ここが一番楽しいけどキツイ時間ですね。
追跡者のフォルムは用途によってなんにでも変形できるキャラクターにしたので、アニメーションの流れを決めるのはかなり楽でした。後は過去に出したヒロインハンティングというゲームの敵キャラを持ってきて、エロシーンを考えて作成します。過去作があるとこういった使い回しが出来るのも良いですね。

アクツクで組み立てる

出来上がった素材をアクツクに登録し、ゲームを組み立てていきます。
アクツクはビジュアルスクリプティングという、視覚的なものでプログラミングが出来るようになっています。私のようにプログラムの基礎がほとんどわからないような人でも、ある程度のゲームを作ることが可能です。
ここは一番難しいというか、面倒臭い部分です。
絵は進むと見た目も変わってきて自分で進行が実感できるのですが、プログラミングの場合は進行がほとんど実感出来ない上、同じ部分で何度も詰まることが本当に多いです。
そしてエラーの原因を探る作業もひたすらに地味で、ここは本当に根気が求められるように思います。

ゲームがとりあえず完成

一通りのステージが完成して、通しプレイが出来るようになった段階まで来ると、ようやく他人へテストプレイをお願いする段階になります。
ここでは出来れば複数人にプレイしてもらえると良いですね。自分はこの段階で何十何百とテストしまくっているので、正直自分のゲームが簡単なのか難しいか、面白いのかつまらないのかが判断できません。正直にいうと自分のゲームをプレイしすぎてつまらないし簡単なだけのゲームとしか感じなくなってしまってます…
プレイ自体もただ挙動を確認したりエラー部分を再現したりばかりで、プレイヤー目線でプレイするのはこの段階だともはや不可能だと感じます。

テストプレイで出た問題の洗い出し

テストプレイをしてもらった後、ゲームへの感想や問題点、バグ等が色々と報告として入ってきます。
これらの一つ一つを吟味して
・早急に修正する必要がある箇所
・上記の修正後に取り掛かるべき箇所
・時間に余裕があれば修正すべき箇所
・個人の考えで修正するかしないかを決めていい箇所
これくらいの分野に分けて、箇条書きにして記録します。

問題点の修正と再度のテストプレイ

バグの修正と追加要素等を組み込み、自分である程度テストして問題が無ければ、第二次テストプレイの始まりです。出来れば1回目と同じ人にしっかりと頭を下げてお願いするのが一番良いですね。
可能なら、そこに1〜2人追加でテストプレイをお願いするのも大切です。
ゲームが得意な人、苦手な人、制作を経験している人、制作を経験してない人、様々な人に頼むことが出来るとより細かい問題点の指摘を貰える可能性が増えます。

体験版を作り、宣伝の用意をする

自分が体験版を作るタイミングは、ゲームがほぼ完成した段階です。
体験版と製品版があまり乖離しすぎてもいけませんし、体験版用の仕様で組むのはそれはそれで手間がかかってしまうからです。
完成していれば、そこから序盤のみを残して他を消せば良いだけなので、体験版を作る時間も結構省けます。
体験版を用意する段階で、自分は販売サイト用の画像を用意する準備をしていました。
宣伝用の文言や画像配置等を考えるのはとても苦手なので、前回と同じ方にタイトルロゴと宣伝用画像を依頼して用意をしました。
企画段階では、CGをいれるつもりはなかったのですが、今回は運良く絵描きの方とボイスで会話していた時に「もしよかったらやりましょうか?」とお声掛けいただき、今回はCGをおねがいしました。
結果的にはこれが大正解で、宣伝画像もとても映えましたし売上も前回よりも多くなりました。

販売予告公開、販売日までにやること

販売開始日は、完成から約一ヶ月ほどを宣伝期間として予告開始。
発売日を決めたら販売開始日までは毎日最低1回は宣伝を行い、お気に入り数を少しずつ増やしていくようにしました。
実際予告は最低限1ヶ月ほどあったほうが良いように感じました。お気に入りが多ければ多いほど初日の売上が良くなるので、宣伝は毎日やって損は無いと思います。
宣伝以外はとにかくテストプレイを繰り返し、進行不能系のバグが無いことを何度も何度も確認しました。
発売日当日に進行不能バグ等があった場合、かなり致命的な事になりかねないので、この部分は妥協なく行ったほうが良いかと思います。

販売開始〜

販売が開始されたら、こまめに販売を開始したことを告知して宣伝を行います。
このあたりは友人知人にも声をかけて宣伝の協力をお願いしていました。
今回はセールのおかげもあってか売上が好調で、次回作に繋げそうです。
長くなりましたが、同人エロゲ「黒の迷宮」の制作過程はこんな感じでした。あまり有用なことを書けていないのですが、自分の忘備録としてここに残させていただきます。ここまで読んで頂きありがとうございました!

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