王さまの本棚 28冊目
『おどる12人のおひめさま』
グリム童話/エロール・ル・カイン絵/やがわすみこ訳
ル=カインは、ええと、どこの国の人とはちょっとわからないのだけど(いろんな土地の人の血を引いている)、とにかくシンガポールに生まれて、少年時代はアジアを転々と過ごしたそうで、そういう出自に転勤族だったわたしはちょっと親近感を覚えます、いえ、スケールが全然違うのですが。
この絵本はグリム童話なのですが、古臭いというよりも、古式ゆかしい格調の高さ、高貴な気配のする物語であって、そこにル=カインの新しい絵が合わさることによってとても現代的な仕上がりになっています。
最後のページのいたずら心になんて、思わずニンマリしてしまいます。
購入するときいばら姫ととても迷ったのですが、絵柄のゴージャスなこちらにしました。大満足!清楚でロマンチックな絵もすてきだけど、ル=カインの真髄は豪華でエキゾチックな絵にあると思っています。そう、エキゾチックぐあいとゴージャスのかげんがとても良い。子どものころに読んだら夢中になったろうなあと思います。本に『5歳から』、とあるのですが、絵を眺めながらの読み聞かせならもっと早くても夢中になれるかも、というか、お姫様やドレスに夢中になるのは、もっと幼いころからだと思っています。いや、本当のところは知らんけど。もっと物のわかる年になって、ジェンダーやら、古いお話、ということを理解できるようになってからのほうが新鮮かもしれんけど。知らんけど。
とにかく、AKBやら何とか坂の衣装も脱帽の、お姫様のドレスの統一感と個性がすばらしいのであります。
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