王さまの本棚 82冊目
『シュナの旅』
宮崎駿作/アニメージュ文庫(徳間書店)
物語の醍醐味の一つに、クライマックスで「世界の秘密に触れること」があると思っています。
幾多の物語でそうであるように、この物語でもそれが語られており、心底ゾクゾクしました。
ただ、それだけに終わらないのがこの物語の魅力です。文化の違い、シュナの驚き、風俗、そして世界の仕組み。それらが見事に嚙み合って、シュナの世界を創り上げています。すごい。本当にすごい物語です。
この本は、漫画というか、絵物語というか、絵の上に文字が重なっているので、ちょっともったいない。絵がめちゃくちゃにかっこいいので。良い編集されて、豪華版出ないかなあ。ほしいよ。
そうだ、宮さん物語ではおなじみ、ヤックルや、なんだっけ、ナウシカでは名前があったと思うのだけど、ここでは駄獣としかないな、忘れちゃった、牛のような馬と、そしてミノノハシがでてきます。ミノノハシ!トリウマは出ません。
ラピュタにも出てくるミノノハシ、この絵をアニメーターが宮崎さんに見せたところ、『動きがなっとらん、動物園に行って観察してこい!』って言われてしまって、ほんとうに動物園へ行って困惑した、という話が好きです。ええ、ミノノハシは、架空の生き物。
あっ、あと、ラジオドラマになっているのを聞いたんですが、これがまたすごかった(逆の意味で)いっこだけ言わせて、いっこだけ!月が飛んでいくときの効果音がジェットエンジンの音だったので、すごく笑ってしまった。
イメージは、伝わりますが、それ、だめ!
原作の、チベットの民話は読んでいないのです。読みたい。課題図書、心の積読。
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