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王さまの本棚 27冊目
『みどり色のつりがね』
プロイスラ―作/ホルツィング絵/なかむらこうぞう訳
27、みどり色のつりがね
— 安野ニツカ (@nienoedda) July 29, 2020
プロイスラー(文)とホルツィング(絵)のコンビのように、良い作家には良い挿絵描きが付いているのよって教えてくれたのも、Bラビッツの御店主でした。すてきな方よね……この本はそういった意味でも特別。とはいえアマゾンではっせんえんでかいました。業の深い趣味…… pic.twitter.com/PWDTFaCZBs
作者と画家がペア!と思ったら、翻訳家もクラバートと同じ人でした。と思ったら、ホッツェンプロッツも同じトリオでした。
翻訳家は地味な仕事ではありますが(むしろ地味であってほしい)、プロイスラ―の文章の少し不穏な雰囲気とホルツィングのザラッとした絵に自然と添う、違和感のまったくない訳で、すばらしいと思います。某ハリーなんとやらとは大違い。良い意味で、瀬田貞二とも大違い。
訳ってすごく難しいんだなあというのは、ハリポタの和訳をほんの少しかじってみて思ったことですが、その言語が操れるというだけでは当然、ダメもダメの、ダメダメで、まずは連綿と続いてきた日本の児童文学にむしゃぶりついて読んだ体験がないと、少なくとも商業出版で出す資格はないと思っています。たぶん、おそらく、ハなにがしを訳した人は、わたしよりも断然、月とスッポンほどに英語ができるけど、わたしよりも本に夢中になったことはないと思う。ここ小さい文字で書きたいな。こっそりこっそり。愉快な話じゃなくてごめんなさいね。
さて、本棚での位置ですが、……見えないな。見えてないな。これ。『子どもの季節』と『サンタ・クロースからの手紙』の間に挟まっています。
これはもう、随分前に絶版になってしまった本らしくて、わたしがメンタル的にすごくしょげていたときに、B/rabittsという古本屋さんのご主人に出会って、これは良い本よ、誠実で、まっとうで、しあわせになれる本よ、と教えてもらった本だったのでした。ただ、その本屋さんにも現物はなくて、もちろん新本では手に入らず、アマゾンとかメルカリとかいろんなフリマアプリで探してみたら、古本がなんとはっせんえんで売りに出されており、うわーお……と数日悩んで買ったのでした。状態は良かったので、救われました、わたしのはっせんえん。わたしはケチで金に汚いので、最後にもう一度言うよ。はっせんえん。買う方も買う方だけど、すごいよね、値段つけた人。絵本よ。
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