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王さまの本棚 10冊目

『The Hobbit OR THERE AND BACK AGAIN』J.R.R.Tolkien作/Alan Lee絵/Boston New York HOUGHTON MIFFLIN COMPANY

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本棚の中ではここ。そういやゲド戦記の話をしていないけど、語れるほど読み込んでいないのも事実。最初の二冊は読みやすいんだけど……。

さて、この本はまず装丁が素晴らしいことを特筆したい!スマウグの黄金の隅々まで金の箔押しが施されていて、カラーカバーをめくったら濃い緑色のこれまた竜の箔押し。

中身もフルカラーの紙(?)で、よくある、普通紙にカラーの紙が挟んであるタイプじゃない!ので、アラン・リーの細かいタッチがこれでもかというほどじっくり堪能できます。

ツイートにもあるように、岩波版ホビットでは寺島龍一とトールキンの絵、原書房版では様々な画家の絵が挿入されているので、日本には、愛蔵版指輪物語のように「アラン・リーの絵に特化した版」がないのですよね。そういう意味でも、非常に見る価値のある本。

ちなみに9冊目で書いた裂け谷のシーン、これは映画にも出てきた細い橋が出てきていて、よくある「トールキンの構図」ではありませんでした。いや、いいんだけど、ちょっとさびしい。笑

そしてゴクリ!ああ、哀れで惨めでいとしい我が友ゴクリ!!(っていうほどじゃないか、こわいか。友だちにしたら。)
この人のゴクリは心から好き。寺島版ゴクリがわたしのゴクリの原点だとしたら、ここは終着点。ワンツーフィニッシュ。世界は狭かった。
ほんとうに、こんなに惨めで哀れな生き物を見たことがない。例えがあれだけど、土鬼の皇弟より惨めよ……
子どもの頃、かれの少ない語彙の中から引き出される呪いの言葉にゾッとしたものだけれど、ああ、その呪いがこの喉から出たのか、と思うと、20年以上の時を経て、奇妙な納得を感じます。

じつはつい先日うっかりアンディ・サーキスのホビットオーディオCDをポチったので、届くのが非常に楽しみです。いま輸入中だそうな。




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