ランドセルの自動ロックは必要?
小学生が6年間毎日使う物
”ランドセル”
ランドセルのカバーを留めるために 下部に付いている金具
「錠前」が
最近のランドセルでは
ワンタッチ式(自動)のものが多いと
最近知りました。
それは4年生の次女が
「自分のは手で回すタイプだけど、自分以外の子のはみんな
自動でロックされるんだよ」
と 話してくれたことから 知ったことでした。
わたしの小学校時代を振り返っても
錠前は手で回すのが当たり前で
長女(中一)と次女のランドセルを買った当時も
錠前がワンタッチ(自動)という 選択肢すら
なかったと思うのですが。
気になってちょっと調べてみると
ランドセルを作っている 主要メーカー14社 のうち
自動ロック(ワンタッチ)が採用されているのは
11社だということです。
(2023年5月現在)
なんと!
もはや自動ロックの方が主流で
手動式ロック(手で回すタイプ)の方が
マイノリティだったという事実に
驚きを隠せません。
クラスで手動タイプが次女一人だということにも
納得の結果でした。
(8人という少人数の3、4年複式クラスではありますが)
ちなみにそのサイトには
長女や次女が使っているランドセルのメーカーが
手動式を採用している3社のメーカーのひとつであることが
書いてありました。
◇
現代の子どもたちは ただでさえ
指先をつかうこと が
生活の中から激減していると思います。
スワイプやタップをすることは
赤ちゃんでも出来るような時代ですが…
では、
つまむ、まわす、ひねる、むすぶ、ほどく、ほぐす、とめる などの
指先の感覚を繊細に感じて
両手指の微妙な力加減と動きを使ってする動作を
お子さんは無理なくできますか?
ランドセルの留め具にしてもそうですが
ボタンをつける、はずす
ひもを結ぶ、ゆるめる、ほどく
鍵をまわす
ドアノブをまわす
コンロをひねる、調節する
マッチをする
など、生活の中の様々な場面に出てくるような
何気ない動作は、
実は単純でいて、子どもにとっては簡単なことではありません。
これらの動作は
くり返しやり続けるなかで
微妙な力加減や繊細な感覚を
子ども自身が獲得していくものだと
思います。
最初はできなくても、四苦八苦する中で
自分の中にある微妙な感覚がわかるようになり
それらを使って出来るようになっていくわけです。
だからむしろ
ボタンひとつで済ましてしまうよりも
生活の中でどんどんさせてあげることに
とても意味があると思うのです。
◇
◇
なぜなら
『指先の感覚は 使わなければ育たない』からです。
◇
◇
たかがランドセルの留め具ひとつのことですが
毎日数回、開け閉めするだけのこの何でもない動作を
毎日、6年間続けることによって
子ども達は
ちいさな取っ手をつまんで、位置を合わせて、まわす
ということをくり返し、
自分の中に微妙で繊細な感覚を日々育てていっているとも
言えるのです。
機械に生活の中での様々な動作をゆだね
ボタン一つで簡単にできてしまう現代で
果たしてそういった感覚は育つのでしょうか。
◇
子どもの手を育てる という想いをもつ
わたしとしては危機感を感じ
ますます
シュタイナーの手仕事を通して
子どもたちの 手と心と頭を 育てていくことの重要性を
感じた出来事でした。
◇
◇
余談になりますが、
ランドセルメーカーが自動ロック、手動ロックを採用する
メリット、デメリットが書かれていました。
それには、
〈自動ロックを使用するメリット〉
①低学年でも簡単に扱える
②うっかり閉め忘れることがない
③かっこよさがある
〈あえて手動ロックを採用する、自動ロックのデメリット〉
①手動に比べ、壊れる可能性が高い
②穴からずれた状態だとロックできない
③ランドセル価格に影響する
とありました。
この理由を見ていても
とても商業的観点かつ大人の都合で採用されていて
子どもの発達や成長を考えた観点は
錠前部分には見られませんでした。
毎日触れる部分なのだから
むしろとっても大切なのでは!…と
わたしは感じます。
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シュタイナーの手仕事と文庫
ニディ∞ノディ
@teshigoto_okayama
うえだじゅんこ/岡山
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