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お口に合いましたか? #詩小説

ファミレスで1人
無性にステーキ肉を食らう

汚れなんて気にせず
無我夢中に食べて

イヤホンからは
誰かを何度も思い出した
粘着テープよりベタついた音楽

この気持ちが愛とは違って
友情とか尊敬とも違う

もっと軽くてふわふわしていて
それでもって、お互い苦しめる
よく分からないグレーな思い

だから僕は貪る
ソースをぶっかけて
口の中に頬張って
何もかも忘れたくて
リセットしたくて
ハッキリな色にしたくて
誰にも邪魔されず

僕はステーキ肉を食らう

食べたあとは
カラフルなデザートを

きっと来週になれば
また君を求める

これ以上
踏み込めば
お互い離れてしまうだろう


揺さぶれた感情に
僕らはどんな今を生きるの?
未来なんて描けない
今をどう生きるの?

出会ってしまったから?
これでいいと思ってしまったから?
君を求めたから?

いつか出会うさ
君に似たような
君とは違う
僕だけの君を

そんなことを考えて
人生のひと時を
デザートと共に食べ終わる

あぁ、ごちそうさまでした。

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