【読書記録】『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』
脳科学と心理学を絡めたような
脳科学者の中野信子さんの本がわかりやすくて、
最近よく読んでいます。
中野信子さんは東京大学大学院で音楽研究で学位を取得され『絶対音感』や音楽の構造を分析している脳の機能部位を研究されたそうです。
中野信子さんもピアノを演奏されるからか、なんとなく親しみを持っているんです。
今回読んだ本は『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』。
中野信子さんはヘヴィメタルファンだそうです。実は私もヘヴィメタルが好きで、10代の頃にヘヴィメタルの重厚なサウンドを聴いて感動してから特に若い頃はヘヴィメタルを良く聴いていました。
メタルが好きな人の脳科学的分析
この本によるとメタルが好きな人は
内向的で自分の感情や経験に忠実。丁寧に思考を積み重ねていき『ここだけは譲れない』という自分だけの基準を作りやすいタイプ
だそうで、
内向性が高いということは、自身の目はあまり他者へ向かないが『自分とのコミュニケーション』は得意。
『自己とのコミュケーションが上手な人は知的好奇心が旺盛で自分の心を見つめて不満や望んでいることを見出して心の問題を解決する能力が高い。
そうです。
私は子供の頃から一人遊びが好きで自分の世界に閉じこもることが好きな子供でした。
子供の頃から内気だった私はよく親から『内向的なのはダメ。もっと外交的になりなさい』と注意され、ずっと内向的なのは良くないと思っていました。
でも、今はそんな自分の世界をそれなりに楽しんでいるし、中野信子さんは社会そのものがリスクである今の時代、内向性が高いということは社会からの影響を受けにくいということなので、これからの社会を生きるうえで強力な武器になると語っていました。
そうだとしたら少し自信がもてるなぁ。
音楽的な話では、クラシックとメタルは音楽性の共通点が多い。
この話は以前にも聴いたことがありますが、この本を読んでやっぱりそうなんだ!と納得。
・ギターソロのような超絶技巧
・楽曲の構成の美しさ
・コード進行の壮麗さ
・共通する和声
やっぱり音楽的にもクラシックとメタルは共通点が多いんですね。
クラシックファンとメタルファンの特性もよく似ていて、どちらも『創造的』で『落ち着き』があって『内向的』なのだそうです。
特に日本ではクラシックは優等生、メタルは劣等生みたいなイメージがあるけどほぼ同じタイプなんですね。
中野信子さんは
“メタルは人類や人間の本質とはどういうものか、それについて『メタ認知』を与えてくれます。にもかかわらずステレオタイプに大人たちが『こんな音楽を聴いていたら駄目だ』『おかしい人間になってしまう』と言うのは、わたしに言わせれば、大人であるにもかかわらずメタ認知ができない非常に短絡的な発想であると感じます。そしてそんな人こそがポピュリズムなどにすぐ共感してしまう社会にとって危険な存在となっていくのです。“
と語っています。
モノの本質を追求するというよりも、耳馴染みのいいキャッチーな曲が売れたり、何かが流行ると皆同じような感じでそこに集中する。
何も考えずに人に流されるような動きをする方が多くて怖くなる時があります。これも『メタ認知』と関係があるみたいですね。
私は昔から流行ってるものにはあまり興味を持てなかったりするタイプで、人とは違うちょっと変わったものが好みでした。
最後にピアノ学習者として嬉しい内容もありました。
楽器を演奏すること自体の効果
以前より記憶力や認知力などが上がる
楽器演奏スキルの習得が言語習得、分析、リスニング、記憶、語彙といったすべての能力を向上させるのに効果的。
楽器の演奏を習得することで、認知機能を司るさまざまな脳内の部位が活性化し皮質の量が増えたということが明らかになる。
これは子どもはもちろん、大人になってからもその傾向が見られるそうです。
これはピアノ練習の励みになるなぁと
少し嬉しくなりました!