「鏡顔。③」/毎週ショートショートnote
大きな都市ではあるが、都会とは違う。
美しい町並みだが何か禍々しいものを隠している不穏な気配がする。
よそ者にたいしても。
皆一様に親切で優しい。
だが。
ここへ引っ越して以来。
落ち着かないのは何故か。
ずっと考えていたのだけれど。
ようやく。
勤め先の小学校の運動会でわかったような気がする。
変な言い方をすると似た人がいない。
普通。
親子関係であれば、似るでしょう。
顔が。
でも。
運動会で
私が受け持っている子供たちの親御さんが
笑顔で挨拶してくるのだが。
誰ひとり例外なく。
親と子がまるで似ていない。
首をかしげていたら。
隣にいた校長が私の心を読んだように。
「ここでは、鏡顔は忌み嫌われるんです。古い町だから仕方ない。」
鏡顔って。仕方ないって。何が。
大体おかしいでしよう。
遺伝の法則。
生物学的に。
そのあとの休日に私の母親がここへ来たんだけれど。
顔を見た途端。
私は母親の顔がおぞましくて見られない。
昔から双子のような母子と言われていた。
その顔が。
すみません。調子乗って第3弾。
私と相性の良いお題。(笑)
たらはかにさん。ありがとうございます。