精神疾患持ちが、イヌと暮らすということ
いま我が家には2頭のイヌがいる。
我が家と言ってみたものの、長いこと一人暮らし。
なのに2頭。
チワワとカニンヘンダックスフント(一番小型のダックス犬種)だから、一人でも2頭を連れて出歩くこともどうにか出来る。疲れるけど。
2頭飼っているのは、1頭だと私が全力で相手をする必要があるけど、2頭いるとイヌ同士の世界があるから、私だけが相手するよりもイヌ達の世界が広がり、彼らのQOLが上がるから。
というのが表向きの理由。
本当は、前に2頭飼っていた時がものすごく幸せだったから、年齢的にこれが私の人生で最後のイヌとの暮らしになるなら、もう一度多頭飼いをしたい!というのが、正直な理由。
それと、シニア期に足を踏み入れかけている私のこの先の人生、ギリギリ可能な時までイヌと暮らしたい、という願望というか、切実な事情があります。
私は25年間一人でイヌを飼ってきました。
最初のミニチュアダックス飼って6年目くらいに2頭目のチワワを飼い始め、その一年後に精神疾患を発病しました。
診断はうつ病。
8年後に双極性2型障害・気分変調性障害と診断が変わりました。
うつ病として治療していた時期、辛かったです。全然よくならないし。
診断が変わった時は、ようやく進むべき道が見えたような気がしましたが、完治しないということを知り、激しく落ち込みました。
その後も、色々大変なことがありました。
その全てを、ワンコ達が受け止めてくれました。
というか、何が起こってもイヌ達は通常営業ですから、どれだけ落ち込んでも、ベッドから出られなくても、シャワーを浴びられなくても、死にたいと思い詰めても、「お腹すいた〜」とキュンキュン鳴かれると不思議と立ち上がれるのです。
自分のためには1ミリも動けない、目も開けられない、今持ってる薬全部飲んだら死ねるかな。
そんな状態なのに、この子達を辛い目にあわせてはいけない。
ギリギリの精神状態なのに、守らなきゃいけないと思えるのです。
私が、精神疾患を患ってからの20年近くの時間の中で、イヌの居ない期間は半年だけでした。
イヌが居ないと、私をこの世界に引き留めておくことはできないんだな、とわかってしまったのです。
気にかけてくれる姉もいます、ずっと親身になってサポートしてくれる友人もいます。
でも、私にはイヌじゃないとダメなのです。
あの無邪気さ。
つねに通常運転で日々を過ごしている強さ。
そして、ストレートに愛情を伝えてくれる素直さ。
まだ生きているのは、イヌ達のおかげです。
正直いえば病気持ちには犬の世話は大変な時もあります。
でも、完璧な飼い主でなくていいと思っています。
縁あって私の家族になったのだから、私の出来る範囲の育て方の中で生きていってもらうしかないと思っています。
批判する方もいらっしゃると思いますが、人間の子供を育てる環境も家庭によって千差万別ですよね。
これまで飼っていた子達、今一緒に生きている子達、不幸にしたとは思っていません。
忙しくて一緒にいる時間が短かったこと、発病して私が寝てる時間が多くなり散歩の機会が減ったこと、働けなくなってフードのグレードをガクンと落としたこと。
色々あったけど、毎日しっかり撫でて「大好きだよ」と伝え続けたことで、気持ちは通じ合っていたと思っているし、一緒に居られることが幸せだとお互いに思えていたと思っている。
そういうイヌとの暮らし方もあるのです。
精神疾患持ちは、イヌと暮らすといいと思う。(何度も言ってるけど)
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