INIの、後藤威尊の、沼落ちブログが書きたい
彼らに出逢うまでの私は、「推し」という言葉になんとなく嫌悪感を抱いていた。好きなヒトやモノがあることが当たり前で、たとえ界隈が違っても「オタク」同士にしか分かり合えない何かがあるようなあの感じ。人生にワクワク感を持っているあの感じ。「推し」という存在がいない私は、なんとなく同世代のコミュニティに壁を感じており、同時に羨ましさを感じていたような気がする。何かに熱中できることが、生きる希望があることが、羨ましかった。
そんな私にも、生きる希望ができた。INIというグローバルボーイズグループだ。日プ女子を視聴しており、彼女らのデビュー後も時々コンテンツをチェックしていた。そのうちに私のSNSにはJO1やINIが現れるようになった。もとから存在自体は知っていたが、2グループの区別すらついておらず、タイムラインに流れてきても特に目をとめることはなかった。
しかしある日、YouTubeに流れてきたある動画に目と耳を奪われた。
フェスでHEROを歌う 尾崎匠海 だった。
華やかなビジュアル、少しハスキーな歌声、汗をかきながら全力で歌う姿。全てが本当にブッ刺さり、INI沼への扉が開かれた。ちなみに今の推しは尾崎匠海ではない。(もちろん彼のことは大好きだ)
こうしてINIに興味を持ち始めた私は、タイムラインに流れてくるものチェックする以外にも自ら彼らのことを調べるようになった。どうやらYouTubeが面白いらしい。初めて見たINIフォルダは確か学力テストだった気がする。まだ全員の名前すら覚えていないのに、とても面白かった。私が惚れた尾崎匠海は、なんといじられキャラでポンコツだった。HEROを歌っていた彼とは思えなかったが、逆にそれがとてつもない魅力に感じた。
それからの私は暇さえあればINIフォルダを身漁るようになった。EP1から見始め、全員のキャラがなんとなく分かるようになってきた頃、
私は 後藤威尊 に魅了されていた。
彼のどこに惹かれたのかは分からない。どの動画で好きになったかも思い出せない。何なら、顔と名前を一致させるのに一番時間がかかった記憶がある。ただ、気が付いたら動画の中で彼のことを探すようになっていた。自分が後藤威尊に夢中になっていると気づいた時の感覚は、尾崎匠海を見つけた時のドデカい衝撃を一発食らったような感じとはまた違う。気づかないうちにジャブを喰らい続け、気が付いたら緩やかに倒されていたような、そんな感覚だった。
スタイリッシュで、華やかで、少し色気も感じるビジュアル。「みんなの王子様になりたい」という発言。これらとはかけ離れているとも思えるあのキャラクター。彼のことを知れば知るほど興味が湧いてきた。INIのオカン的立ち位置でありながら、めちゃくちゃボケたがる。みんなの王子様になりたいのにグループの筋肉担当。対極にあるような二つの要素を併せ持つ彼が愛おしくてたまらなくなっていた。そしてもちろんパフォーマンスもチェックするようになる。初めて見た彼のチッケムが何の曲だったかは忘れてしまったが、しなやかなのに芯のあるダンス、余裕のある表情と必死な表情の使い分けが素敵だったことを覚えている。
こうして私は INIに、後藤威尊に、完全に沼落ちしたのだった。
冒頭に書いたように、私はこれまで何かに熱中することがほとんどなかった。幼い頃からテレビっ子だったこともあり、割と芸能人には詳しかったし、好きだと思う人は何人もいた。ただ、私の興味は広くて浅かった。そんな感じだったので、なぜこんなにも急にアイドルに夢中になれているのかが自分でも分からない。
平凡な毎日につまらなさを感じていた私へ、何かに夢中になりたかった私へ、生きる希望がある人が羨ましかった私へ、彼らに出会えて明日が好きになれるよ。