そっか、そういうことか
わたしの頭のレシピ本に、そのメニューはない。
親が作ってくれる料理が人生の食の基本になるから、家庭で出てこなかった料理は自分から進んで選ばないことが多いのではないだろうか。そのまま食わず嫌いというか、知らずに終わることもきっとあるような気がする。
わたしにとってそのひとつがナポリタンだ。
オムライスやケチャップライスは土曜のお昼によく食べた記憶がある。ただ、その麺バージョンは意外にも食したことがなかった。外食でも、数ある味の中からあえてそれを選択するという、どこか危険な選択はしてこなかった。
先日購入したスキレット風プレートは黒だから、赤(オレンジ味)との相性も抜群だろう。たぶんこんなものが入っていそうと思える具材が冷蔵庫に少しあったから、さっそく実験をはじめることにした。
ここで重要なのは、勘と視覚の記憶。
そもそも味をよく知らないから正解がわからない。
でも、洋物だから使う油がごま油ではないことだったりそういう外し方はまずない。だから、結果重要なのは、どれだけそのビジュアルをイメージできているかということだ。
ピーマンは輪切りとか、ちょいべちゃしてるほうがそれっぽく見えるとか、てっぺんの目玉焼きですべて決まりそうだとか、きっとそういうことが頼りになっていく。
過程でなにがあろうともケチャップが帳消しにしてくれるから、味で失敗というリスクはそこまでない。
ありもので作ったから、ところどころにイレギュラーはあるものの完成したのがこちら。
麺はたまたまあったサラダスパゲッティ
ベーコンがないから冷凍していた豚ロース
(ベーコンは豚、少しある脂身をカリカリに焼けばオールオッケー)
と、初めてにして王道外しをしにいけるところが実験の醍醐味。誰かに作ろうものなら、確実なレシピを頼りにするだろうが、実食者は他でもない、このわたし。
なるほど、こんなものか。
悪くはなかったので、もしかしたらまた作るかもしれない。
(でも早くてたぶん3か月後とかそれくらいだと思う)
服でもなんでもそうだけど、見慣れない自分の姿や食べ慣れないものが当たり前になるまでは多少時間がかかる。
別に合わないわけじゃないけど、自発的に獲に行く感じはそこまでない。
果たして、わたしが「ナポリタン、今日は口がナポリタンなの!!」と思う日は来るのだろうか。