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【感想】★★★「奇跡のバックホーム」横田慎太郎

評価 ★★★

内容紹介

■「横田、センターに入れ! 」
1096日ぶりの出場となった引退試合で見せた
プロ野球人生最後のプレーは、いまだ語り継がれている――。
ドラフト2位で阪神タイガースに入団。
将来を嘱望されたが、プロ4年目に脳腫瘍に侵され、
18時間に及ぶ手術の後には過酷な闘病が待っていた。
絶望と苦しみの日々の先に見えたものとは?
感動の自伝ノンフィクション。

感想

非常に読みやすく、読書家の人なら一気読み出来てしまうでしょう。

2023年に28歳の若さで亡くなった元阪神タイガースの横田さんの2度目の闘病までの自伝。執筆後、おそらく僅か1年程度で脳腫瘍が再発して、亡くなってしまうのだが、とにかく横田さんの野球への真っ直ぐな思いが感じられる。
幼少期からプロ野球選手を目指して、人よりも少しでも多く努力をして夢を叶えようとする姿勢が闘病からの復帰後も貫く彼の生き様なのだろう。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」じゃないけど、坂を登る時には後ろを見ずに坂の上の雲を見て前へ進むように、彼は夢や目標だけを見て前に進んで行ったのであろう。
それだけにとても切ない気持ちになる。
この作品には、彼の最期は書かれてはいないが、最期なんてどうでも良くて、彼の真っ直ぐな生き様だけあればそれでいいと思う。
横田さんのように病気で苦しまれている方々は、生きる上での目標を持つ大切さを改めて感じさせてくれるだろうし、闘病に対する勇気も与えてくれると思う。
また、特に病気や怪我などもなく、健康な方であれば、努力が出来る心身があるのに、なぜ死に物狂いで頑張らないのかと気付かせてくれる。

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