
【感想】★★★「ハサミ男」殊能将之
評価 ★★★
内容紹介
■連続美少女殺人鬼、通称・ハサミ男の正体は
鋭利に磨かれたハサミを死体の首につきたてる殺人鬼。通称・ハサミ男がねらった美少女が殺された。しかも、ハサミ男の手口で――。圧倒的知力に満ちた傑作長編。
感想
過去に2度、少女を殺して首筋にハサミを突き刺した未解決殺人事件があり、その犯人はハサミ男と呼ばれていた。そして、3番目のターゲットを定め動き出すが、そのターゲットは先に殺されてしまい、その第一発見者となってしまったハサミ男。しかも、死体の首筋にはハサミが突き立てられていた。ハサミ男は真犯人を探すべく、被害者の事を調べていく中で、彼女の意外な性格や家庭環境を知っていく。
そして、真犯人はやはり意外な人物という事になる。
物語は、「医師」と「わたし」の2つの人格を持つハサミ男の視点と刑事たちの視点で進められていく。
ミスリードが全体的なテーマで、普通の面白い作品。文章もユーモアがあり、著者の博識さも窺い知ることが出来る。
そして、最後の2行がとても良い。
ただ、なぜ「医師」の人格が似ているのか? なぜハサミを首に刺すのか? なぜ少女を狙うのか? なぜ主人公は自殺願望が強いのか? などなど様々な謎が回収できていない。
また、前半の店舗もあまり良くないので、そこがあまりにも残念過ぎる点である。