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日本の弦楽器工房に楽器を持ち込んだら

只今、日本へ一時帰国中です。

先日、子供の楽器(フルサイズ)を工房に持ち込んで調整してもらいました。

いつもは、フランスの自宅近くの工房で調整してもらうのですが、一時帰国前にはその余裕がありませんでした。日本に持って帰ったら調子が悪くなったので、急遽、日本で弦楽器工房を検索し、予約してから持ち込みました。

ちらりと楽器の中のステッカーを見るなり、「これはいい楽器ですね。購入されたのですか?」と。

翌日、取りに伺うと、「とても良い楽器ですね!購入したと伺いましたがどちらで?弓もフレンチの素晴らしいものですね。」と。

そうなんです、いい楽器なんです❤️

事情を説明するのは面倒なのですが、ここはささっと在仏でフランスのいつもお世話になっている工房で購入したと説明。

「なるほど。日本にはこんな古い楽器で健康状態の完全に良い楽器は入ってきませんよ。ヨーロッパではこういう楽器が出回っているのですね。弓はフレンチが一番ですよ。」と職人さん。

まあ嬉しいではないですか。

さらに、職人さんから、フランスで弦楽器を購入するときの方法について尋ねられました。要は、高価な楽器を買うときにお店で試奏するだけで買うのか?貸し出してもらえるのか?ということです。

実際には、楽器相当の金額を記入した小切手と引き換えに1週間貸し出してもらって、家で弾いたり、レッスンに持っていって弾いたり、先生に弾いてもらったり、広い部屋(ホール)で先生と一緒に音量や音色をチェックしたりと、納得いくまで試しました。

子供の気に入った音色の楽器でしたが、もし先生が音量不足と判断したらきっぱり諦めるつもりでした。ホールで試奏したところ音量も問題ないということだったので、最終的に購入に至りました。

職人さんがいうには、日本の楽器店だと、楽器店の店頭か防音室に入って、試奏してその場できめなくてはならないことが多いそうです。この時、弓は高級な弓を貸してもらって試奏することがあるので、鳴らない楽器でも良い音が出てしまって、実力よりも良い楽器に思えてしまうことがあるそうです。

フランス人だったら、絶対にその程度の試奏では購入しません。必ず貸し出してもらい、家やホールで試奏し、先生にも試してもらいます。

それでも買わないかもしれないのがフランス人。

弓も同じです。うちの子供は、楽器が決まってから、弓専門の工房に行って、売り物の新作弓を全て試奏し、小切手と引き換えに三本選んで借りて帰りました。家での練習で使って、レッスンにも持っていって、最終的には先生が選びました。

なので、日本で楽器を購入するときも、弦楽器や弓を購入する時には、1週間程度貸し出してもらえるか交渉してみることをおすすめします。

高価な楽器の時はもちろんですが、長く付き合う楽器ですから、低予算でも納得いく買い物をしたいものです。

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