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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 2023/10/25 109シネマズ広島
ハリウッドが如何にも得意として飛びつくであろう題材。
いの一番に思ったのは、ディカプリオの老化である。(実はつけ歯を使用しているそうで、敢えて老けて見えるようなメイクを施しているらしい。)
陽気なOPから打って変わってオセージ族の人々が不審死していく様を映していくカットは流石はスコセッシといったところ。
白人同士のやり取りの中で悪気なく、オセージ族の人々を”純血資産”と財の一つのように扱うさまは見ていて心地いいものではなかった。
リリーグラッドストーン演じるモーリーが糖尿病なのはなぜだろうと調べたところ、インディアンの方々は体質そのものが飢餓を乗り越えるため、エネルギーを蓄えておく力が白人よりも強いらしい。
インシュリン注射のシーンはディカプリオに感情移入してしまい、目を背けずにはいられなかった。
そして、ロバートデニーロ扮するウィリアム・ヘイル。
悪役を演じるために生まれてきたのではないかと思う程に年を重ねるごとに邪悪なオーラを放つ俳優。
マイインターン(2015)で善良な紳士を演じていた際もはまり役であったが、やはり個人的には悪いデニーロが好きだ。
床屋での髭剃りのシーンはブライアン・デ・パルマのアンタッチャブル(1987)を思い出して、身震いした。
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最後に忠臣に裏切られる様は、グッドフェローズ(1990)を彷彿とさせ、スコセッシによるセルフオマージュを感じ取った。
同じように実話に基づいた映画「それでも夜は明ける」(2013)と同じく、個人的には全人類が一度は目を通すべき作品だと思う。
歴史を知る上でも重要な参考文献になるし、正面から向き合わねばならぬと思う。
同時期に、オクラホマ州で起きたタルサ人種虐殺についても劇中で触れてあり、調べたが実に悲惨なものであった。
現在も各地で戦争が続く日々だが、少しでも平和になるように、少しでも差別がなくなる世の中になればと願う。