酒だらけの環境で続ける断酒
焼鳥といえば生ビール!酒とは切っても切り離せない環境で、アルコール依存症の焼鳥居酒屋店主の私が、8年間断酒を続けています
毎日仕事しながら美味しいビールが飲みたいと、単純な理由ではじめた焼鳥居酒屋。
手を伸ばせばいくらでもいろんなさせが飲めるので、毎晩ビール、ハイボール、焼酎を多量に飲んでました。
10年経ったある日、酒を飲んで前日の記憶がなく、「最近疲れてるからかな?」と気にもしなかったのですが、それが飲むたびに、しかも少量の酒でも記憶をなくすようになっていました。
それ以前から、妻に飲み方が良くないから考えて!と、注意を受けていましたが、自分の普段の姿をよく知る一番身近な人からの警告を無視して飲み続けていました。
そして酒が切れてくると、微かに手が震える様になっていました。
不安となり、慌ててネットで調べると
「ブラックアウト」「アルコール依存症は否認の病」「離脱症状」
アルコール依存症専門医を受診。
脳ミソのCT検査を受けると
「脳みそが縮んでます」
「通院での治療はできません。抗酒剤だけを処方することもできません。治療は本人の意志で入院しなければならない」
店を休むことはできず、アルコール依存症の初期段階ということだったので、助かりたい一心で、アルコール依存症の本、断酒の本、ユーチューブ、依存症ブログや断酒ブログをたくさん読み情報収集。アルコール依存症を理解したうえで、断酒方法を学びました。
何か変!と気づいてからの私の行動
小さい事でも、ネットでまたは本を読んで調べる。
アルコール依存症の専門医を受診して事実を受け止める
断酒について書かれた本を熟読する。スマホで読める本もあるが、気が散って全く関係ないネット記事やユーチューブを視てしまうので、Amazonで断酒本を取り寄せ、気になることがあると、すぐに読めるように持ち歩く、手元に置いておく、赤ペン片手に線を引いたり、必要なら書き込んで使い倒していました。
断酒本を要約したユーチューブを仕事しながら隙間時間に何度も聴く。
その時私が理解したアルコール依存症とは
アルコール依存症は誰でもなる可能性がある病。
酒を何度か口にしたことがある人は大なり小なり依存症になっている。
1度口にすると依存症で死ぬか寿命で死ぬか。進行具合は、その人の遺伝的要素、生活環境、経済的状況でかわってくる。
断酒本を読んで学んだこと
酒は社交に必要不可欠で、楽しいものというのは、世間の洗脳思い込み
酒はドラッグ。モルヒネ、ヘロインと同じ薬物。法律で規制されていないだけ。
酒を精神力でやめることは難しい。人生の楽しみが半分となり、心に穴が開いたように感じる。根性で頑張るより知識を集めて頭で断酒したほうがストレスは少ないと思う。
酒はストレス解消にならない。ことを知る。酒を飲む度にトラブルを起こし飲み方を非難され、そのストレスを解消するためにまた酒を飲む。
飲んでしまったら数日で依存してた頃に戻ってしまう。以前よりも酒量が増えもっと最悪な状況になる。
酒をガマンしてやめるのではなく、酒という薬物から解放されて自由になった。という気持ちを持つ。
私が実行した断酒法
1番不味いと感じた酒を選び(私は沖縄泡盛の強めの水割り)これまで生きてきた中での酒での失敗、惨めな気持ちを思い出しながら、毒である酒の味に集中しながら人生の最期の一杯をゆっくり飲み干したら断酒開始。
自分の首筋の後ろには、酒瓶を持ったボロボロの小さな汚いジジイの酔っ払いがしがみついていて、こいつが酒を飲みたがる。と飲酒欲求を形としてイメージする。
酒飲みてー!と飲酒欲求が湧き上がってきたら、これは首筋の汚い酔っ払いが欲しがっているのだ。「オレは、わかってるぞ!お前なんかに飲ませる酒はない!うるさい!大人しくしろ!」と心のなかで怒鳴りつける。まわりに誰もいなければ、大声で汚い酔っ払いジジイを罵倒する。その行為に集中している間に、いつの間にか飲酒欲求が弱くなっている。
空腹になったらすぐ食べる。お腹が満たされると飲酒欲求が弱くなる。欲するままに食べたいものを食べる。体に悪そうな揚げ物でも、酒飲むよりは全然マシ。そのうち食欲も落ち着いてくる。
3日、3週間、3ヶ月と段々と楽になっていく。3ヶ月後全く飲酒欲求が出なくなり、酒を飲んでいたことを完全に忘れている事に気づいた時はとても嬉しかった。
断酒8年目飲酒欲求は出なくなったが消えたのではなかった
飲まない期間が長くなるほど依存してた頃の辛い日々を忘れ、ガマンする理由もおぼろげになってきました。
今まで何も感じなかった缶ビールのCMを見て突然、無意識に「飲みてー」と生唾を飲みこんでいました。8年も飲まずにコントロールできたんだからちょっと一杯くらい飲んでもいいんじゃない?そんな考えが頭をかすめました。
再びアルコール依存症について学びなおす
8年の断酒期間で、首の後ろのアル中ジジイは完全に死んだものと思っていたが、ボロボロで虫の息にも関わらずまだ生きていたのです。飲酒欲求は完全に消えたわけではなかった。
8年前に読んだ断酒本を引っ張りだして読み返し、断酒、アルコール依存症関連のユーチューブを再び視聴し始めました。
1度アルコール依存症になったものは節酒は無理。飲んだら1週間も経たずに酒浸りとなり、間違いなく酒量が増え以前よりも酷い依存症となるということを学び、身が引き締まりました。
1度アルコールを覚えた脳ミソは何年経っても覚えていて、飲酒欲求とは一生向き合っていくことになると覚悟しました。
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