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ドラマ MIU404の名言から~医療安全ていいな、誰かが最悪の事態になる前に止められる~

MIU404は、これまた私が大好きだったドラマ「アンナチュラル」と同じ脚本家である野木亜紀子さんが書いた作品だ。
簡単にいうと警視庁“機動捜査隊”(通称:機捜)で綾野剛演じる伊吹藍と星野源演じる志摩一未)
がバディを組み事件を解決していく基本的には1話完結のドラマ。
最悪の事態の一歩手前でなんとか救い出そうともがく人たちを描いたドラマだった。
 
その第一話で、あおり運転による事件を解決し、伏線で描かれていたお孫さんのためにおもちゃを探しているうちに迷子になったおばあちゃんが見つかったあとのセリフがある。
伊吹(綾瀬剛)が自分たちの仕事である機捜についていうセリフだ。
 
伊吹「機捜っていいな 誰かが最悪の事態になる前に止められるんだよ」
 
これって名言だと思った。
医療安全も同じなのだ。
機捜のところを医療安全と置き換えてみてみると同意してもらえるのではないかと思う。
医療安全に取り組むことで患者さんに大きな事故が起こらないように未然に防ぐことができる、
そして安全な医療を提供できる環境を作ることで医療従事者が安心して働くことができる、
私達医療安全管理者が考えていることって、結局このことなんだと思う。
いつか起こるかもしれない大きな事故が起こらないように、祈るような気持ちでなんとか止めたいと思っている。
 
インシデントレポートを提出することにやっぱり抵抗がある人がいるのも分かる。
私も自分が配薬忘れのインシデントを出すときにはやっぱり自分を責め、反省文のように感じることもあるから。
でも、報告してくれるインシデントレポートが医療安全のスタート。
報告があがる大部分は患者さんへの影響が出る前に気づいたレポートや軽微なものだが、そのレポートがきっかけで、いつか起こるかもしれない最悪の医療事故を防ぐことができるかもしれない。
 
私が看護学生の頃はなかった実習に統合実習というものがある。
最終学年に行うこの実習は、今まで学んだ知識・技術・態度を統合してチーム医療を学んだり、複数の患者を受け持つ。その中に看護師長に一日ついて見学する管理職実習がある。
(何人か看護学生が後ろをついているので、カルガモ親子みたいでなんだか傍からみてもかわいい)
実習の目的としてあげられている看護師長の役割を伝えたり、組織の中で部署が果たすべき責務などを伝える。その際に必ず医療安全管理室を訪れることにしている。
そこで医療安全管理者に部署のインシデントレポートを報告したり、なにか医療安全上気になることを相談したり。
看護学生にとっては目の前の実習を乗り越えることががすべてであろうが、国家試験に受かった先にある医療の世界で大切な根っことなることをしっかり伝えたいと思うからだ。
なんとなく見た見学の一場面でもいい。
自分たちの行う医療を安全にしようと努力している人がいることを理解してほしい。
こういう活動が、未来の医療安全文化の醸成につながればいいなと真に思う。
 
先程のドラマMIU404の第3話で志摩(星野)が九重(岡田健史)にいうセリフがある。
 
志摩「誰と出会うか 出会わないか この人の行く先を変えるスイッチは何か」
 
忘れてしまうだろうけれど、誰かの片隅に残せるスイッチになりたいなあと思う。
 

 

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