映画|コーエン兄弟が教えてくれたこと
人並みに遊び、人並みに真面目で、
ごくごく普通に打算的な生活を送っていた学生時代。
暇つぶしに近所のTSUTAYAでアルバイトを始めた。
ビデオやCDのレンタルを受付けては、元の棚に戻すという程よく忙しくて、程よく疲れるちょうどいいバイト。
ある日の仕事終わり、ふと手に取ったビデオが
コーエン兄弟の「ビッグ・リボウスキ」だった。
ちょっと風変わりな登場人物たちが、
少し奇妙な騒動に巻き込まれて、
気がつけばなんだか大変なことになっていく。
映像が美しいのはもちろん、ただ面白いだけではないドタバタコメディが当時の私には衝撃的で、そこからのめり込むように彼らの作品を見続けた。
ごく普通の人でも
やっぱりみんなどこかしらおかしなところがあって
ちょっとした騒動に巻き込まれると
転げ落ちるように人生が転落していく
そんな転落の中に、悲哀とおかしみと愛おしさがある。
だから人生は面白いんだ。
失敗しないように、少しでも良い人生が送れるようにと願うことに
寸分の疑いを持つこともなかった私にとって
人生寄り道することもいいんじゃないの、
人間みんなおかしいんだものと思わせてくれた大切な作品。
その後発表された映画の中にはいまいちなものも少なくないけれども、
それさえも彼らのメッセージのように思えてしまうくらいファンです。
コーエン兄弟、ありがとう!
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