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存在【詩】

北風が一つ突き抜ける
身体を突き刺すようだ
俺を通過したそれは俺の存在を無視している
何者なのかわからない無気味な透明人間

誰かが呼んでいる
耳鳴りのように名前がこだまする
キーン キーン キン
キーン キーン キン
先ほど俺を突き刺した風なのか
それとも存在を無視した透明人間なのか

悲しみが無音と共に流れる
誰の為に人は生きるのか
誰かの為に人は生きなくてはならないのか
自分の為だけに生きてはならないのか
立場を守らなくては生きている意味はないのか

悲しい時は声を出して泣けばいい
誰かを気にして我慢しなくてもいい
いつまで生きるなんて考え無くていい
あなたが毎日そこに立っているだけで嬉しい

悲しみに暮れる日々が人生に一度ぐらいあってもいい

【了】

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