9月6日
「はしみ~、はしみ~(仮名)」
台所に立つ私の右肩あたりから、か細い声で私を呼んでいる。
台所にいるのは、私ひとり。
(もしかして)
時計を見ると、まもなく11時30分。
9月6日 11時30分は、中学生の頃に亡くなった母方の祖母の命日。
祖母が亡くなった後、四十九日までの間、あれやこれやと親戚が集まっていたのが、四十九日を過ぎると、徐々に親戚が集まる頻度が減った。
伯母が知人から、
「亡くなったお母さんは、若い頃白いシャツに黒いスカートをはいていたことないですか」と言われた。
「寂しいのかもしれませんね」と。
霊感の強いその方には、伯母を見守る祖母の姿が見えたという。
私は、着物姿しか見たことがなかったが、
昔、お勤めをしていた時の写真には、白シャツに黒いスカートの祖母が写っていた。
私の実家では、「おばあちゃん、思い出してほしいのかも」と思い、お水を備えることにした。
そして、十数年後。
私を呼ぶ声。
その年の6月に、私は娘を出産した。
祖母にとっては、ひ孫にあたる。
忘れないでという気持ちなのか、ひ孫の誕生を祝ってくれているのか。
今年も9月6日がきました。
祖母の思い出
☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
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