旅の計画は一冊の本から
旅、旅行は、計画をたてる時から楽しいですね。
どこに行こうか何をしようかと考えるだけでワクワクしてきます。
いつも、行先を決める時には、自分の行きたい街に関する本を読みます。
気になる街に関する本を読んで行先を決定することもあれば、旅行先が決まってからその土地にまつわる本を読むことも。
観光名所や名産品について詳しく書いてあるガイドブックはもちろんですが、そうではない旅先に関する小説やフィクションなどです。
その土地の歴史やそこに住む人々の苦労、観光名所や歴史的建造物に関することも、違う視点や思わぬ背景を知ることができます。
小説などは、その土地にゆかりがあるものが出てきたり、その街の雰囲気や空気感を味わうことができ、読みながら旅先に思いを馳せることができます。
その土地ならではの取り組みや抱えている問題を知る機会になり、関心が深まります。
本を読んで情景が頭に浮かんでくると、自分の目で確かめたい、このお店に行きたい、この料理を食べに行こうと旅の計画に反映します。
ちなみに、昨年の旅行先青森県に行く前に読んだのは、ノンフィクションで、リンゴ農家 木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」を読みました。
インターネットで『青森県に関する本』と検索して出てきた本です。
病気に弱いリンゴ栽培。それまでのリンゴ作りに疑問を持った木村秋則さんが、無農薬栽培にこだわり、何年も失敗を繰り返しながら、自分の信念を曲げずに取り組んだリンゴ作りの過程と木村秋則さんを追った「奇跡のリンゴ」を読んだあと、木村さんが作ったリンゴを食べたくてしょうがなくなりました。
すぐに調べると、通常の流通では食べることができないと。
なんとか口にしたいと調べると、木村さんのリンゴを使った料理を提供しているレストランが青森県弘前市にあると知ります。
そこで、青森県の旅行では弘前市のレストラン山崎で食事をとるという計画を立て、実際にいただいてきました。
木村さんが何年もこだわって作ったリンゴを使用している、レストラン山崎さんで作られた『奇跡のリンゴスープ』は、遠く青森まで行った甲斐があり、言葉に尽くせないほどの美味しさでした。
ひとり旅でしたので、ひとりで何度も「おいしい」を連呼します。
こんな時誰かと気持ちを共有したくなり、お店の方が私のそばを通るたびに何度も「おいしいですね」とお伝えました。
「おいしい」を言いたくて仕方がなかったのです。
木村さんの本で何度も出てきた、リンゴ畑を見守る岩木山。
青森を舞台にした森沢明夫さんの小説『津軽百年食堂』でも弘前城や弘前公園とともに岩木山の情景がでてきていました。
レストラン山崎で食事をしたあと、弘前城へ行き岩木山を望みます。
リンゴ畑を、弘前の街を見守る山を眺め、歴史と現代が融合した街並みを見て本でイメージしていたものを旅で体験しました。
旅の準備は読書から。
この記事が参加している募集
いただいたサポートは、車いすフェンシングの活動費に使わせていただきます。