良心をともしびとする
良心を
ともしびとする
№197
2024.03.16
「良心が、一番大切かもしれない」
(天海祐希(あまみ・ゆうき)、俳優)
良い仕事をしたからといって、評価や成果を得られるとは限らない。手抜きな仕事をした人が得する場面すら、珍しくはない。楽をしようと思えば、大体の仕事はそれなりに手を抜くことができる。
ところがいい加減に片付けようとすると、「そんなことなしない方がいい」と良心がささやく。それに従い、自分に楽を許さず、1つの仕事を完成させたときに得られる満足感は格別だ。
良心を大切にするとは、つまるところ、自分はどう生きるか、ということだ。他人との比較や損得勘定でブレているようでは、いつまでも「自分」など見つかりはしない。
(翻訳家・矢口誠『山梨日日新聞』2024年3月6日号、『きょうの言葉』より)
仏弟子のアーナンダは、お釈迦様亡き後、何を頼りに生きたらいいのかを尋ねます。その時のお釈迦様の答えが、
「自らをともしびとして生きなさい。法(仏の教え)をともしびとして生きなさい(自灯明、法灯明)」でした。
暗闇に頼りとなるものは月の明かりです。月は全体を明るく照らし出し、月(法)によって進む方向が明確になります。しかし、自分の足元は薄暗いままです。足元は自分のともしびによって照らすことで、安全に確実に歩むことができるのです。
では自分の何を「ともしび」とすべきなのか。
私たちの心はいつも正しい方向に向かうわけではありません。「サボりたいなぁ」「面倒だなぁ」という怠け心が顔を出します。その時に「それではいけない」という、正しく行動しようとする心の声が聞こえてきます。それが良心といわれるものです。
私たちは、この良心を「ともしび」とすべきです。
この良心の声にいつも耳を傾けられる人でありたいと思います。
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