笑わせるのは泣かせるよりかなり難しい(ギャグ漫画編)
57歳の親父が人生で100回以上聞いた100枚のアルバム紹介をしてきましたが無事に終了。
次の展開を考える間に影響を受けた漫画編を少々書きたいと思います。
毎日二作に限定して紹介する予定ですが、当然その何倍も読んでますが、ぐっと我慢して二作に厳選して紹介します。
初日はギャグ漫画編。
「マカロニほうれん草」 鴨川つばめ
週刊少年チャンピオンに1978年~2年間ほど連載された歴史的傑作。
当時余りにもカオスな展開と内容に驚かされたんです。
登場するキャラも一応主人公の沖田少年以外は、皆ぶっ飛んでいた。
沖田少年が学生寮に入居する所から物語が始まるのですが、そこには何年留年してるのかわからない謎の二人が住んでいました。
一人がひざかたとしぞう(満月の日には狼男みたいに作家になる。作品がイチゴ畑で捕まえて、というサリンジャーへのオマージュ)、もう一人がきんどうにちよう(二頭身で愛らしい顔に反して、やる事がエグイ)。
この二人の滅茶苦茶な生活に沖田君が毎日巻き込まれていくという展開。
最後は何時もドタバタなんだけど、全部一人で書いていたという画質の凄さと、音楽・文学・カルチャーを絶妙に織り込んでるのに夢中になりました。
当時子供はジャンプを読むのが支流でしたが、マセ餓鬼の私は完全チャンピオン派で、この面白さには子供には分からないだろうと一人悦に入ってました。
週刊連載と言うハードさと、編集長との軋轢で最後の方は下書きだけで掲載された事もあります(今考えると凄い)。
結果精神をやられ、何時の間にか消えた作家なんていう扱いもされてました。
満を持してパート2が再開されたんだけど、やはり初めの勢いとキレがなく直ぐに終わってしまいました。
今読んでも凄さは感じる漫画です。
「ゴリラーマン」 ハロルド石川
ヤングマガジンに1988年~連載していた衝撃的作品。
ゴリラに似た主人公が荒れた学校に転校してくる所から物語が始まります。
その風貌から始めは恐れられるものの、大した事ないと分かり、番町グループの愛すべき存在として仲間になります。
本人は鹿賀丈史に似ていると思ってたり、飲み物を買いに行かされると必ずカロリーメイトを買ってくるとか、本当にニンマリしてしまいます。
でも実は誰よりも強いという設定で、後半はギャグマンガというより格闘漫画になるんだけど、ちゃんとそこにも笑いがあった。
凄かったのがゴリラーマン以外の雑魚キャラ達。
桂べかこのそっくりなベカちゃんや、ベスト・キッドのみやぎさん風の用務員。
そして最大の笑いはゴリラーマンの姉(家族皆同じ顔)。
もう姉が自転車で現れたシーンは声をあげて3分位笑ってしまったのを今でも覚えてます。
作者であるハロルド作石は、この後BECKという歴史的傑作音楽漫画を描きます(これも必読ですね)。
後に、ゴリラーマン40 ゴリラーマン40ファミリー編も出ますが、やはり初めのシリーズ程の勢いはなかったですね。
同世代の人は読んでいる人が多い名作だけど、若い人にもぜひ読んで貰いたいですね。
最後にゴリラーマン姉の表紙を。