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日本のレイモンド・チャンドラーの正統的後継者(原遼編)
小説紹介第三弾!
「さらば長き眠り」 原遼
1995年発売
本日紹介するのは日本のレイモンド・チャンドラーの正統的後継者の原遼(はらりょう)の作品。
ハードボイルドというジャンルはアメリカの、ダシール・ハメットが発明し、レイモンド・チャンドラーが有名にし、ロス・マクドナルドやロバート・B・パーカーが繋いでいった分野。
簡単に言えば探偵小説で、主人公が昔気質の頑固者だからハードボイルド(固ゆで)と言われ所以です。
日本でも北方健三や船戸与一が先駆者で有名ですが、チャンドラーの後継者でありエンタメ性も持ち合わせた原遼を私はお勧めします。
ピアニストとして活動していたのですが、42歳の時1988年に(そして夜は甦る)で文学デビューするという遅咲き作家です。
本家チャンドラーも50歳でデビューしたので似てますね。
既に亡くなってしまったんですが、人生で短編集入れて6冊しか書いてないという遅筆でも有名です(チャンドラーも長編七作だけなんで、その点も似てますね)。
特に今作を書いた後の作品は9年後で、その作品の後は14年後で、それが遺作となってしまいました。
私はこのnoteでも紹介した、山本達彦のCDを聞いてハードボイルドに興味を持ったんです。
1997年発売した(Martini Hour)というアルバムが、タイトルから楽曲までハードボイルドの香りプンプンだったんです。
そこから図書館でハメット・チャンドラー・ロスマクを貪るように読んだんです。
日本人の先駆者も何冊か読んだんですが今一つ嵌らなかったんですが、後の原遼作品に出合い、再びどっぷり嵌った次第です。
どれも好きな作品だけど、個人的には今作を推します。
単体で読んでも問題ないですが、本当は一作目から読むと主人公の心境変化が分かって更に面白いと思います。
それでは個人的原作品のベストスリーを紹介です。
第三位 それまでの明日 2018年に出た遺作にして最新作。この作品で最後と思うと泣けてきました。少し年老いた主人公も味があって良かった。
第二位 私が殺した少女 直木賞受賞作にして原遼という名前を一躍有名にした作品。
第三位 さらば長き眠り チャンドラーの(ロング・グッドバイ)にインスパイアされたタイトル。ハードボイルドを文学に昇格させたような重厚な文体に痺れます。
引退したらバーボンをロックで飲みながら、再読したい原作品です。