何度読んでも泣かされてしまう(号泣編)
影響を受けた漫画紹介最終日。
今回は自分の人生にかなり重なり、おまけに何度読んでも泣いてしまう作品紹介。
「夏子の酒」 尾瀬あきら
週刊モーニングで1988年~連載していた作品。
映画や小説が人生を変えるという事が良く語られますが、漫画も同様。
今作を大学生の時に読んでなければ、今の自分は無いと言い切れる作品です。
主人公は酒蔵に生まれた娘・夏子。
兄が酒造りをして、主人公は東京の広告代理店で働いていました。
しかし兄が病気で急死し、突如酒蔵を継ぐことになり田舎に戻ります。
当時はまだ女性が酒造りをする事が良しとはされてなかった時代で、夏子が蔵に入る事を心よく思わない状況でした。
加えて兄が遺した幻のお米(龍錦)を復活させるという使命もあり、満身創痍の日々を送ります。
でも夏子の頑張りに、次第に応援してくれる人が増え、遂に復活した酒米で酒造りを開始するという物語。
実は今作はベースは実話何です。
新潟の久須美酒造という蔵が、亀の尾という一度は廃れた酒米を、農業試験場に残ってたいた数粒の酒米から復活させた話がベース何です。
女性が主人公と言うのは作者の創作ですが、農業の問題もかなり先見の明で描かれていて、今読んでも感心させられます。
そして何度読んでも大号泣してしまうんです。
この本に出合った事で、日本酒好きになり、挙句の果ては日本酒専門店まで自分で経営する事になってしまいました。
漫画が人生を変える事は実際にあります。
嬉しい事に店の15周年記念に作者の尾瀬あきら先生が来てくれました。
ちゃっかりサインも頂きました(笑)
「BLUE GIANT」 石塚真一
ビックコミックにて2013年~現在も連載中です。
昨年映画化もされ大ヒットしたのには、驚きました。
JAZZというマイナー音楽がテーマだし、男臭い内容何で、まさかこんなにヒットするとは思わなかった、というかその前に映画化された事に驚いたんです。
簡単に言うと音楽の知識0の主人公・大が、中学でJAZZに出会い、何もわからないままSAXを吹き始める。
その過程で色んな人に出会い、どんどん才能を伸ばしていくという物語。
今作が凄いのは、主人公ではないと思っている。
主人公に才能があって、努力をして上に登っていくという展開は、多くの漫画で描かれる。
今作が斬新なのは、主人公の周りにいる、負けた人間達の描き方が兎に角秀逸。
私自身も音楽を目指して上京し負けた人間。
なので周りにいる人物の感情にリンクして仕方ない。
そして大号泣してしまう。
ある意味自分の姿と重ね合わせてしまうんです。
日本編・ヨーロッパ編(SUPREME)・アメリカ編(EXPLORER)、そして現在連載中のニューヨーク編(MOMENTUM)と続いていく。
ずーっと読んでいてどれも面白いけど、やはり日本編が一番だと思う。
今も読み続けている唯一の漫画となりました。