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ジャーナリスト魂を併せ持つ、村上春樹フォロワー(大崎善生編)

小説紹介第18弾!

「ドナウよ静かに流れよ」 大崎善生

2003年発売

本日紹介するのは大崎善生(おおさき・よしお)という男性作家です。

残念ながら昨年66歳という若さで亡くなってしまいました。

元々は雑誌の編集長で、特に将棋関係の雑誌に携わっていたので、デビューは将棋のノンフィクションでした。

そして村上春樹の大ファンで、自らフォロワーである事を公言して居る位です。

ノンフィクションとフィクション両方を書き分ける大崎さん。

その中で私が一番推すのは今作です。

2001年夏に、オーストリアのドナウ川で、自称天才指揮者の日本人とポーランドと日本人のハーフの若い女性の水死体が発見されます(実話)。

日本ではNEWSの取り扱いも小さな事件でしたが、作者は何か感じるものががあり、二人の過去を取材し始めます。

そこには純粋で激しい愛の物語があったんです。

もう最後は号泣してしまいました。

ほんと良いノンフィクション何で、ぜひ読んで貰いたいです。

それでは個人的大崎作品のマイベスト・スリーを紹介します。

第三位 聖の青春 2000年 実在した棋聖・村上聖(さとし)の伝記。子供の頃からネフローゼと言う難病を抱えながら、天才・羽生と死闘を繰り返して死んで行った青年のノンフィクション。

選べなかったというか、この二冊はセットだと思っているので、第二位は二作紹介します。

第二位 パイロット・フィッシュ 2001年 大崎さんの小説デビュー作。吉川英治文学新人章受賞作です。人は、一度出会った人間と、一度発した言葉と、二度と別れることはできないがテーマの青春譚です。

第二位 アジアンタムブルー 2002年 パイロット・フィッシュの続編と言う扱いですが、これでけでも読めます。若くして亡くなった恋人の喪失感を抱えた男の再生の物語。完全に村上春樹節です。

第一位 ドナウよ、静かに流れよ 2003年 この時期の大崎作品はどれも素晴らしかった。事実は小説より奇なりを証明した一冊です。

その他短編集も素晴らしいもの多数あります。

先ずは第二位の二冊から読むのが入り込みやすいと思います。

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