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女性同士の関係の光と闇を描くのが本当にリアルで上手い(角田光代編)
小説紹介第30弾!
「森に眠る魚」 角田光代
2008年発売
本日紹介するのは映像化作品も非常に多く、エッセイも人気の角田光代(かどた・みつよ)
児童文学から始まり純文学を経て、2005年に(対岸の彼女)で直木賞も受賞してる、有名女性作家さんです。
有名作&人気作沢山ある中で、私は今作を一押しします。
登場人物は東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通して心を許しあい、ランチなどを定期的にする仲の良い関係でした。
しかし、一人が子供のお受験をすると決めた事で、皆も同様にお受験をする事になります。
いつしかその関係性は変容していき、お互いを憎み疑心暗鬼の関係になって行きます。
現代に生きる母親たちの深い孤独と痛みが浮き彫りになっていく物語。
これは絶対男には書けない作品です。
女性特有の心と表面が全然違う感情を本当に上手く物語にしたと思う作品です。
それでは角田光代作品のマイベストスリーを紹介します。
第三位 坂の途中の家 2016年発売 主人公は幼児虐待事件の補充裁判員になった主婦。子どもを殺した母親の証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていく物語。これも男には書けない作品。女性が読むと何倍も刺さる作品だと思います。
第二位 平凡 2014年発売 タイトル通り色んな人達の平凡な生活が描かれてるんだけど、自分と重ね合わせて合致する物語はドーンと来ます。そして(平凡とは自分の本心を出さない事)という一文にヤラレマシタ。
第三位 森に眠る魚 2008年 今じゃ言えないことだけど、結婚が女性のゴールだった時代。自分が選んだゴールを間違いにしない為に生まれる憎悪。見事に描き切った作品です。
女子同士の素晴らしい関係を描いた作品も多々あるけど、個人的にはダークの方が好きです。
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