見出し画像

芥川賞作家出身は直木賞風作品に転換しブレイクする

小説紹介第21弾!

「静かなる爆弾」 吉田修一

2008年発売

本日紹介するのはデビュー作から純文学を書き、芥川賞を受賞した吉田修一。

でも芥川賞を受賞して以降、どちらかと言うと直木賞寄りの作風になり、その勢いで大ブレイクした稀有な作家さん。

映像化された作品も多く、作風も多彩で何時もワクワクさせられます。

有名な作品沢山ある中、私のイチオシが今作です。

公園で偶然出会った、テレビ局に勤める主人公と、耳の不自由な女性。

何時の間にか恋が始まり、同棲を始め穏やかで静かな日々を過ごしていました。

ある日主人公は異動を命じられ、突然歴史的な事件を追う事になり、急激に多忙になったことから、二人の気持ちはすれ違うようになってしまいます。

果たして二人の行く末は?

こう書くとよくある障碍者との恋愛物に感じるけど、そこは吉田さんの紡ぐ言葉が色んな事を問いかけてきます。

タイトルの意味も読み終わると納得いきます。

それでは吉田修一のマイベストスリーを紹介します。

三位は選べなかったので二作品紹介します。

第三位 怒り 2015年発売 映像化され映画も素晴らしかった。都会で起こった家族惨殺事件。犯人は逃亡中で、犯人では?と思われる人物三人が房総・東京・沖縄の夫々の場所で色んな人達と絡みあいます。果たして犯人はこの中にいるのか?犯人探しでもあるんだけど、それ以外の生き難い人物達の哀しい物語でもあるのは流石です。

第三位 横道世之介 2009年 長崎から大学進学の為東京にやって来た主人公が、人が好過ぎて色々と頼みごとを持ち込まれる青春譚。人気があるみたいで既に三作目も出ております。

第二位 国宝 2018年 ヤクザの親分の息子として生れた主人公。
しかし抗争で父は殺され、父の親友だった歌舞伎役者の元に預けられる事になります。そこで息子と共に厳しく芸を叩きこまれる二人。何時しか一生に渡るライバルとなって行く物語。

第一位 静かなる爆弾 2008年 今作が一番地味で短い作品だけど、刺さったのは今作でした。

クリックしたらアマゾンに飛びます↓


いいなと思ったら応援しよう!