私にセンスを教えてくれた教科書的作品(カルチャー編)
影響を受けた漫画紹介四日目。
本日は(カルチャー編)
カルチャー編って何だ?
と言われそうですが、他に良い言葉が見つからなかった(汗)
色んな意味でセンスが素晴らしく、影響を受けたという事でそう呼ばせて貰います。
「迷走王 ボーダー」 たなか亜希央
1986年~アクションで連載していた怪作。
アジアの砂漠で出会った二人の旅人。
一人は無職の中年男・蜂須賀で、もう一人は何事もソツなくこなす美青年・久保田。
この二人が日本に帰国して住む月光荘というのが物語の舞台。
何と蜂須賀は金がない為に共同便所に家賃三千円で住んでいました。
そして彼らに触発された同じアパートに住む東大志望の浪人生・木村の3人が巻き起こす騒動を描いた物語。
もう総てがハチャメチャなんだけど、時にシリアスに、そして映画を撮影したり、CMを作ったり、時にアート系の話題も織り込まれ、それがセンス抜群なんです。
現実社会と、そこに反する人との境界線を描いた青春譚。
狩撫麻礼(カリブマーレイ)の原作が最高で、この後その名の作品を総て読んだのは言うまでもない。
「BANNA FISH」 吉田秋生
1985年~別冊少女コミックで連載。
少女漫画をちゃんと最後まで読んだのは(生徒諸君)と今作と(ちはやふる)だけだと思う。
そして私の生涯のベスト漫画はと聞かれたら、今作を挙げます。
主な主人公は二人。
一人は有望な陸上選手だったけど怪我をしてその道を断念せざるを得なかった21歳の奥村英二。
現在カメラマンの助手をしていて、ニューヨークにやってきした。
もう一人は行き場のない子供たちのギャングのボスで、IQ180で美貌とカリスマ性を備えた上に、マフィアのボスの養子になっている19歳のアッシュ。
この二人がNYで偶然出会います。
余りにも違う人生を送ってきた二人ですが、何故か共感しあいます。
一方ベトナム戦争中に開発された謎の製薬バナナフイッシュというものを巡ってマフィア・政府・ギャングが抗争を繰り広げる物語。
もう総てが完璧。
少女漫画でこれだけ深くて、センス抜群の作品が書かれた事に驚きます。
今読んでも全然古く感じないです。
少しBLの要素もあったりするのは、少女漫画故だったりする。
沢山の素晴らしい漫画読んできたけど、トータルで今作を超える作品に出会った事はないです。
読んでない方はぜひ読んでみてください。
アニメ化されましたが、今一つ。
実写映画化の話も何度も出たのですが、流れて正解だったと思う。
今作は漫画のまま収めておいた方が絶対にいいです。