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多彩な作品を書き分ける無冠の女王(柴田よしき編)

小説紹介第15弾!

「聖なる黒夜」 柴田よしき

2002年発売

本日紹介するのは1995年に横溝正史ミステリー大賞を受賞しデビューしたベテラン女性作家。

デビュー作は(RIKO 女神の永遠)と言い、女性が主人公のハードボイルド作品で、前年に江戸川乱歩賞でデビューした桐野夏生と共に、女性が描くハードボイルド小説としてプチブームを起こしました。

その後良い意味でホント色んな作品を世に送り出して居て、全作読んでおります。

そんな中で私が一押しするのが今作(聖なる黒夜)です。

主人公は警視庁捜査一課の刑事。

バリバリの刑事なのですが、ゲイである事を公言しています。

ある日大物ヤクザの親分が殺され、その捜査に当たるのですが、容疑者として浮かんだのは十数年前に逮捕した男でした。

昔の印象とガラッと変わった容疑者に驚かされる主人公。

その男の変化には主人公の過去の過ちが関係していました。

果たしてその過去とは?

そして犯人は誰なのか?

という物語。

ハードボイルド・ミステリー・BL小説の要素がギュッと詰まった名作です。

名作あるあるで最後に泣かされてしまいます。

是非読んで欲しい一冊です。

それでは個人的柴田作品のベストスリーを紹介します。

第三位 お勝手のあんシリーズ 2019~現在進行形 奉公に出された少女が、奉公先である日老舗の宿屋の旦那にたぐいまれな嗅覚を褒められ、宿の料理人弟子として雇われる事になります。本格的で美味しそうな料理の数々と、登場人物達のキャラ際立ち面白いです。初の時代物だったんですが、晩年の代表作となってます。

第二位 水底の森 2004年 顔を潰された遺体が発見され主人公の刑事が捜査を始めるのですが、容疑者として一人の主婦が浮かび上がります。ここまで書くと、よくあるミステリーなんですが、ここから展開が変わります。容疑者の女性の不幸な過去がドンドン浮かび上がり、事件は思いもよらないエンデイングに向かう物語。グイグイ引き込まれますよ!

第一位 聖なる黒夜 2002年 私はゲイでもないし、ノーマルな恋愛観ですが、そういう区別を飛び越えた愛みたいなのもあるんだなと感じます。

以上がマイベストスリーです。

柴田さん良い作品一杯位あるんだけど、無冠なんですよ。

賞には嫌われてしまってますが、大好きな作家さんです。

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