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「服を買いに行くための服がない」あの頃の私のための 発達障害ライフハック(自己紹介・ご挨拶記事)

このアカウントについて


 「社会に適合したいかも」と思い始めた不器用さん・発達障害当事者さんのために、「基礎中の基礎」のライフハックを発信したいと思います。
 元々60点を取れる人を80点に引き上げるのではなくて、いつも0点しか取れなくて困っている人たちが、まずは20点を目指すためのアシストになることを目指します。

 ですので、世の中の99パーセントの人からすれば「そんなこと知ってる」「わかり切っている」と呆れるようなことばかりを書いていく予定です。
 藁にもすがりたい1パーセントの人に届けばいいなと思っていますので、温かい目で見ていただければ幸いです。




 以下は、自己紹介だったり自分の考えだったりをつらつら書いているので、読みたい方だけ読んでいただければ幸いです。



足し算ができない人間が分数の割り算ができるわけがない

 
 
「服を買うための服がない」という言葉があります。

 オシャレになりたいから服を買いたいのに、オシャレな服屋に赴くにふさわしい服を持っていないからオシャレな服が買えない……という、哀しい悪循環のアレです。

 国語の教科書を読む国語力がない、体力をつけるために筋トレをする体力がない、トーク力を上げて友達を増やしたいのに話し相手がいない……

 基礎体力が「普通」の人が想定するラインより大きく下回っている人たちは、はじめの一歩の努力に手を出すことも難しいのです。

 私は大人になってから診断された発達障害グレーゾーンです。
 発達障害の特性が関係していたのだと思うのですが、学生時代は身なりもコミュニケーション能力もメンタルも何もかもが最悪でした。
 学年に一人いるかいないかレベルで芋っぽく、だらしがなく、イジメられていないのが奇跡なレベルの女の子、それが私でした。
 今どきの言葉ですと「チー牛女」でしょうか。(私の頃は「喪女」「オタク女」と呼ばれていました)

 いよちゃん、というインフルエンサーの方が、よく『いをん』というオタクキャラクターをパフォーマンスされています。

 本当にお恥ずかしいお話ですが、この方の容姿に不潔感を盛って3倍芋っぽくした感じがかつての私でした。(今もそれほど大きく改善できたわけではないですが、少なくとも最低限清潔にはなりました)

 今から考えると明らかに支援が必要なレベルだったのですが、今ほど発達障害が知られていなかった時代柄もあり、「変わり者の女」として野放しにされていました。
 私の子供時代から二十年近くが経過した今、発達障害者を取り巻く環境はかなり状況は改善されているとおもいます。でも今でも、地域や家庭方針によっては支援が必要だけど繋がれていないような方がたくさんいるのだと思います。もしくはご本人の意思で、医療や福祉にはつながりたくないという方もいるでしょう。

※あくまでも私は総合的に見て支援が必要な発達障害だったという話で、「いをんさんのような見た目の方は全員発達障害だ」という断言ではないです。念のため

 私は基本的にはファッションやコミュニケーションに興味がない人間でした。(そもそも苦手だし、特性の関係もあって意義が理解できてなかった)それでも周りの人にからかわれたり、集合写真を撮った後なんかには惨めな気持ちになって、一念発起なんとか「普通の人間」になろうと努力してみようとするのですが、まず何から手を付けていいかわからないのです。

 本屋さんやインターネットで情報を漁りますが、今ほど色々なコンテンツが充実していなかったということもあり、自分に必要な情報は中々集まりません。

 ファッション雑誌に載ってる「3分で簡単! 垢ぬけヘアアレンジ」特集は、まず第一段階の「ステップ1:髪を左右で半分ずつに分けておさげにして結ぶ」で2時間四苦八苦、結果左右の毛量をどうしても半分ずつにできず挫折します。(上の動画でのいをんさんのような髪型になります)

 コミュニケーション方法の本を読んでも、まず「相手の言ってほしいことを言えば大丈夫」としか書かれておらず、それがわからないから悩んでるのに……! と何度涙を流したかわかりません。

 当時の私のネット検索履歴にはは「人間 まとも なりかた」「喪女 擬態 なにをする」「オタク 垢ぬける」「脱オタ」「簡単 化粧」「ファッション 何買う」「友達 作り方」「KY どうしたら治る」「コミュ障 改善 基本 簡単」などの、今思えばいじらしい単語が並んでました。

 しかし、上記の結果で出てきたサイトは、やはり私にはハードルの高いものばかりでした。学生でお金も時間も限られている中、発達障害ゆえ不器用な自分ではなにもままなりません。

 その中で何より辛かったことは、情報が散乱していたことです。

 学校の勉強なら教科書を丸暗記したり、一冊のドリルを最後まで解けるようになればそれである程度モノになります。

 でも美容やコミュニケーションに関するテキスト・ネット情報は体系的な情報では存在していません。もちろんあるにはあるのですが、どれも私には難しいものばかりでした。
 ですので、自分に必要なものをあちこちから集めて、嚙み下いて、チャレンジして……そして不器用故に失敗して。

 ただでさえ勇気を出して苦手なジャンル(美容・社会適合)挑戦しているのに、情報収集だけで疲れてしまいます。検索窓に「簡単」「不器用でもできる」「コミュ障」「サルでもわかる」「基礎の基礎」と打ち込むたびに、自分の落ちこぼれ度合いが身に染みて段々憂鬱になってきます。

 それでもなお、私が理解できそうな、実行できそうな情報はインターネットにも本にもテレビにも落ちていません。きっとそれは、そんな基礎の情報を求めている人が少ないからです。

 「サルでもわかるカンタン。二足歩行の仕方! まず右足を前に出して……」みたいなサイトがないのと同じです。こんなところで躓いているの世界で私だけだと絶望しました。普通の人がわかることがわからない自分が情けなくて、盛大にメンタルを病んだ時期もあります。

 ですが20代になって、大人になって、学生時代にできなかったことが少しずつできるようになってきました。同年代の人たちに比べればまだまだだけど、あの頃の自分よりはうんと成長しています。ヘアアイロンだって使えるようになりましたし、お風呂も毎日入れてます。床には物が散乱してませんし、生理の度にスカートを汚すことももうしません。

 私がここまで成長できたのは、できない自分に向き合い続けて、泣きながら「バカでもわかる 片付け」などで検索して、周りにバカにされたり怒鳴られたりしながら必死で一つ一つ情報を集め、身に着けたからです。

 でもそれは、今思えばとてもつらいことでしたし、不必要な苦労だったと思います。
 そもそも足し算ができないのに、割り算と分数のテキストだけ渡されて「分数の割り算をできるようになれ」と言われていたようなものだからです。
 当時の私に必要だったのは足し算のテキストでした。
 私は必死に探したけどそれはどこにも見つかりませんでした。だから仕方なく、難しくて意味の理解できない割り算のテキストを泣きながら何度も読んで、なんとか「分数の掛け算はできるようになったかも」という状態に持って行ったのです。

 最初から足し算のテキストが手元にあれば、きっとあんなに辛い思いはしなくて済みましたし、今頃とっくに因数分解くらいはできる大人になっていた気がします。

(もちろん当時の私の情報収集技術が低すぎたというのもあると思います。当時から有力な情報を共有してくれる先人はたくさんいて、そういう方たちのおかげで私も成長できました。その方たちには感謝してもしきれません)

 私は、今私と同じような状態にいる若い不器用さん・発達障害当事者の方に同じような思いをしてほしくありません
 垢抜けの方法を調べては「自分には難しすぎる」とスマホを投げて泣くあの惨めな夜をこれ以上過ごしてほしくありません。
 そんな時間があるなら、おいしいものを食べたり好きな趣味に没頭していたりしてほしいです。
 もちろん、私と同年代や年上の方にも同じことを思います。

…………ちょっと熱くなってしまいました。

 とにかくそういう事情で、今回アカウントを開設しました。
 当時の自分に教えてあげるような感覚で、足し算のテキスト……人間レベル0点→20点にするための超基礎のライフハックを共有していきたいと思います。
 noteの年齢層は割と高いそうなので、テキスト系のサイトで若い方向けの場所があればそちらも並行して手を伸ばしていきたいです。

 筆者が発達障害当事者なので、ADHDやアスペルガー関係のことを中心に記載することになると思いますが、基本理念は「服を買いに行くための服がない、を解決」なので、長年引きこもっていた、家庭環境の事情で暮らしに関する情報が得られなかった、などの方でも参考になるかと思います。(なるようなものを書いていきたいです)

 最初の記事は「100円で購入できる垢ぬけグッズ一覧」(仮題)の予定です。
 まず買い集める必要がある物を優先度順に掲載し、思考停止で上から順番に購入していけば最低限度の身だしなみ・社会性は保てるようになる……というような内容を想定しています。


 自分がリアルな学生の時、検索の際に「喪女 改善」「ブス 何から手を付ける」などの言葉を使っていたので、もしかしたらタイトルには「脱チー牛」のような割と強い言葉も記載するかもしれません。
 でも基本的には脅したりするようなことは言いたくないので、本文はわりと柔らかい言葉で執筆すると思います。(今回の記事くらいの感覚です)

 私自身、まだ30点くらいの人間なので、40点になるためのライフハックや美容術も募集中です。もしこうするといいかも? と思った方がおられれば、コメントなどでアドバイスいただけると大変嬉しいです。

 これからよろしくお願いします!


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