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辛い経験を共有すると仲良くなれる
辛い経験を共有すると仲良くなれる
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究
人はストレスが多い経験を共有すると、より仲がよくなることは分かっている
研究者は、ヒツジでも同じことが起こるのではないか、と考えた
70頭のヒツジを集めて、5つの放牧地に振り分けた
ヒツジは全てメリノ種のメス、3歳から6歳
放牧地で過ごしてもらった後、それぞれの放牧地からランダムで2頭のヒツジを選んだ
選ばれたヒツジは集められ、トレーラーで運搬され、別の場所でイヌに追いかけられたり、毛を刈られたりした(普段から行っていることを一日にまとめた)
一緒に辛い体験をしてもらった
辛い体験が終わったヒツジたちは元の場所に戻され、また皆と一緒に過ごす
選ばれなかったヒツジたちは、のんびりとすごしていた
結果、一緒に辛い体験をしたヒツジは、より仲良くなった
ただし、すぐに仲良くなったわけではない
放牧地に戻された当初は、最初の仲間と過ごしていたが、段々と辛い体験をした仲間と一緒に過ごすようになっていた
これは物理的な距離にも表れており、のんびり過ごしたヒツジたちより、辛い体験をしたヒツジたちは最大で80cmも近づいて過ごしていた
ヒツジは、辛い体験をすると一緒にいた仲間の顔を覚えている
放牧地に戻っても、仲間のことを覚えているので、仲良くなったと考えられる
人もヒツジも、誰かと一緒に辛い体験をすると仲良くなれる
ヒツジたちには辛い体験をしてもらったが、長期的に悪影響が出るものではない
動物虐待ではない
安心安全の研究である
今回の研究は辛い体験で行ったが、今後は楽しい体験でも同じことが起きるのか確認したいと研究者は考えている
ヒツジの続報は今後に期待
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参考文献
Shared stressful experiences affect social proximity in Merino sheep
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2022.0396
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