早歩きをしていると老化が遅くなる!?
早歩きをしていると老化が遅くなる
健康のために「歩く」ことが大切だとは、多くの人が知っているでしょう。
しかし、歩くスピードが老化に影響を与えることはご存じでしょうか?
日々の散歩や通勤・通学で、ゆっくり歩くか、普通に歩くか、あるいは早歩きするかで、老化のスピードが変わるかもしれないのです。
今回は、レスター大学による研究をもとに、「歩くスピードと老化の関係」についてご紹介します。
・歩くスピードと老化
レスター大学の研究チームは、UKバイオバンクのデータを用いて、40万人以上の人々の歩行スピードと老化の関係を調べました。
このデータには、テロメアという、染色体の先端にあるキャップ状の構造に関する情報が含まれていました。
テロメアは、細胞の分裂ごとに短くなるため、これが寿命や老化の指標になるのです。
さらに、研究は歩行スピードに注目。参加者に自己申告された歩くスピード(ゆっくり、普通、早歩き)や、加速度計で計測された運動データを分析しました。
その結果、老化が遅く進んでいたのは、「早歩き」をしている人たちだったのです。
・早歩きの驚くべき効果
テロメアの長さは、健康状態や老化の進行を示す指標とされています。早歩きをしている人のテロメアは、ゆっくり歩いている人に比べて長いことが判明しました。
これは、早歩きが細胞の老化を遅らせる可能性があることを示しています。
一方で、ゆっくり歩く人たちの特徴には、運動量が少なく、肥満傾向があることが多いという傾向も見られました。
早歩きをしている人は、喫煙をしておらず、健康的な生活を送っていることが多いのです。
つまり、早く歩けること自体が健康のバロメーターとなっている可能性があります。
・運動量が増えれば老化も遅くなる
過去の研究でも、運動をしている人は運動をしていない人に比べてテロメアが長いことが確認されています。運動によって心肺機能が向上し、細胞に新鮮な酸素が供給され、細胞が活性化されることで、老化が抑えられるのです。
そのため、早歩きなどの運動量や運動強度が高い活動は、テロメアの短縮を遅らせ、老化を遅らせると考えられています。つまり、日々の歩くスピードを少し速めるだけで、細胞レベルでの若さを保つことができるかもしれません。
・あなたの歩くスピードは?
あなたの歩くスピードはどうでしょうか?もし「ゆっくり歩いている」と感じるなら、少し意識して早歩きをしてみましょう。
通勤や散歩の際、いつもより少しだけ早く歩くようにしましょう。
・早歩きで老化を遅らせ、健康寿命を伸ばそう
歩くスピードを上げることは、老化を遅らせ、健康寿命を延ばす一つの方法かもしれません。
さらに、早歩きをすることで心肺機能が向上し、全身の健康状態が改善されることも期待できます。運動の負荷が増えることで、筋肉や心臓の強化にもつながり、体力がつくでしょう。
「歩かない生活」から「歩く生活」へ、そして「早く歩く生活」へとシフトすることで、長寿だけでなく、日常生活の質も向上するはずです。
さあ、今日から少しだけ歩くスピードを上げて、健康な未来を手に入れましょう。
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参考文献
Investigation of a UK biobank cohort reveals causal associations of self-reported walking pace with telomere length
https://www.nature.com/articles/s42003-022-03323-x