お金持ちでも貧乏でも、お金欲しさに不正を働く
お金持ちでも貧乏でもお金欲しさに不正を働く
ー経済状況は不正行為に影響を与えないー
レンセラー工科大学やテキサスA&M大学の研究
対象者:グアテマラの貧しい村人109人
・研究の意図
人々はなぜ不正に手を染めるのか?
お金に困っているからなのか?
それとも、お金が好きだから不正してでも手に入れたいのか?
経済状況とお金に関する不正行為の関係を調べた
・研究の内容
グアテマラのとある村では収入の95%をコーヒー豆の販売に頼っている
しかし、コーヒー豆が収穫できるのは9月下旬から3月上旬まで
収穫時期では収入があるが、時期を過ぎると収入がなくなってしまう
(グアテマラのインフラは不十分で銀行に貯金するのが難しい)
収穫時期では裕福な暮らしができるが、時期を過ぎるとお金に困る生活をおくることになる
そのため村人は、一年のうちに裕福と貧乏を経験する珍しい村人である
そんな村人に研究者はサイコロを振ってもらい、出目に応じてお金を払うというゲームを行った
ゲームの際、サイコロの出目は降った本人にしか確認できず、研究者も自己申告を頼りにしている
支払うお金は1が一番小さく、5が一番大きい、6の場合はお金は支払われない
出目によって支払われる金額は以下の通り
1=5Q
2=10Q
3=15Q
4=20Q
5=25Q
6=0Q
(Qはグアテマラケツァルのこと。5Q=0.7ドル)
このゲームをコーヒー豆の収穫前の貧乏な時期と、コーヒー豆の収穫時期で裕福な時期のそれぞれで行った
・結論
報告された数字は5が一番多く、その割合は50%を越えた
半数以上の人が最大の金額をもらったことになる
(サイコロに細工はしていないので、確率的には5が出るのは約16.7%
期待値の3倍以上の人が5を出していた)
報告された数字の3、4、5だけで85%に達していた
驚くべきことにお金がもらえない6を報告してた人は一人もいなかった
この報告された割合は、裕福な時期と貧乏な時期で大きな差はなかった
人はお金をもっていても、お金がなくても、お金がもらえる機会があると不正することが明らかとなった
経済状況に関係なく、人はお金が好きなのだ
(ただし、グアテマラの村人がサイコロの出目を操る特殊能力を持っていて、全ての村人が正直に数字を報告していた可能性もわずかに存在する
こちらのほうがロマンがあるので、不正を働いてお金を多くもらった結果より、グアテマラの村人には正直者しかいなかった説を推したい)
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参考文献
The effects of scarcity on cheating and in-group favoritism
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167268119302148?via%3Dihub