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【超円安の時代】ほぼトラで風向きが変わるようだ

11月5日の投票日まであと3カ月となった米大統領選挙で共和党のトランプ大統領の当選の可能性が極めて高くなってきた。
これに伴い、2年半近く続いた超円安の流れにも変化が生じる気配がしてきたようだ。
また7月24日には、ロイターで日銀が7月末に予定されている次の金融政策決定会合において”利上げの可否を議論する可能性がある”とのリーク記事が掲載された。このニュースを受けて、ドル円相場は、足元で153円台まで円高ドル安が進行している。
ということで、全体を俯瞰してみると、2年続いた超円安と株高に転換点が訪れた可能性が高いと思われる。一応、備忘録の意味からも記録しておこうと思う。

ほぼトラ

7月15日からウィスコンシン州のミルウォーキーで行われている米共和党全国大会で、トランプ元大統領の大統領選挙候補者指名が確定した。併せて副大統領候補として、J.D.ヴァンス・オハイオ州上院議員が決定した。
トランプ元大統領は、早速ブルームバーグとのインタビューで、ドル高円安を非難する発言をしている。
丁度、共和党大会の前に日銀の覆面介入があり円高方向に振れていたところに、トランプの発言が出たことから、ドル円市場は若干ながら円高方向に振れ始めた。

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バイデン撤退

トランプ元大統領の銃撃事件後は、トランプ圧勝との見方も出ていた。しかしその後、日本時間7月22日未明に現職のバイデン大統領の選挙戦からの撤退が発表された。そして後任には、カマラ・ハリス副大統領を推薦すると発表している。
カマラ・ハリス副大統領に対しては、早速、民主党重鎮のペロシ元下院議長や、ニューサム・カリフォルニア州知事など民主党の大物が支持を表明している(※少し気になるのが、オバマ元大統領が声明を発表していないことだ)。
またハリス副大統領は、バイデン撤退直後に行われた献金集めで、早くも100億円近くの献金を集めているようだ。

半導体企業への制裁

トランプ元大統領が銃撃された直後に、バイデン政権が半導体企業向けに制裁を発動するとのニュースが流れた。中国への高度半導体技術の移転に制限を課す内容だ。主な対象は、オランダのASLMと台湾のTSMCだけでなく東京エレクトロンなどの日本の企業も含まれるようだ。
この発表を受けて以降、アメリカ株の主力であるNVIDIAやTeslaなど相場をけん引してきたハイテク銘柄の下落が目立つようになってきた。
特に利上げ後の相場復活を支えてきたNVIDIAに代表されるAI関連株の乱調は、相場の先行きを不透明にしている。


FRBの利下げと日銀の利上げ

米大統領選の動向に加えて、日米の金融当局の政策も曲がり角を迎えている。2022から始まったFRBによる利上げが、1年間の据え置き期間を経て、早ければ9月から、いよいよ金融緩和に転換する見込みだ。
一方で、実質的に四半世紀に渡りゼロ金利政策を続けてきた日本銀行も、インフレ基調の定着を受けて、近々、金融引き締め方向に舵を切ることが予想されている。
またコロナ明け後に絶好調だったアメリカの景気に関しても、コロナ禍でばらまかれた給付金などが、そろそろ枯渇し、株高などの資産効果も限界が見え始めているようだ。最近の経済指標には、景気の息切れを示すものが多くなってきている。

円安と株高の流れが変わる

相場が好調な時は、あまりにも当たり前で忘れてしまいがちだが、永遠に上がり続ける株価もないし、経済が景気後退入りしないこともない
新型コロナウィルスパンデミック明け後に活発化した米国を中心とした世界経済の拡大も、そろそろ曲がり角に来ているのかもしれない。
今年の初めぐらいには、一ドル170円どころか一ドル200円で、NVIDIAの株は永遠に上がり続けるなどという予想が流布していたのが嘘のようだ。
しかし今回の円安が、FRBの利上げと日銀の無制限金融緩和である長期国債の買い切りオペが切っ掛けで始まったことを考えると、日米の金融政策が反転する可能性が固まった今、これまで2年の長きに渡って続いた”超円高”が一服することもある意味当然だろう。

適正なリスク規模に

年末までの今年後半のマーケットを考える上では、特に米大統領選挙に関して不確実性が依然として高い。トランプ元大統領暗殺未遂事件が発生した時点では、トランプ元大統領の勝利が確実に思われたが、バイデン撤退とカマラ・ハリスの大統領候補登場で情勢が流動的になってきている。
多くの投資家、特に米国株にインデックスで投資してきた投資家は、この数年大きなリターンを手にしたことだろう。というか1年で50%近いリターンは短期では出来すぎと考える方がいいだろう。そろそろ調整の時期と考えるのが自然だ。明けない夜はないのと同じように、沈まない太陽もない。
昔から「頭と尻尾は相場にくれてやれ」と言われているように、そろそろリスクを縮小して一旦撤退する準備をしたほうがいいかもしれない。

積み立て投資は継続を

経験の浅い不慣れな投資家の中には、突然の相場の変化に戸惑っている人も多いかもしれない。特に今年から始まった新NISAで投資デビューした人の中には、早く売却してしまった方がいいか迷っている人も多いだろう。
結論から言うと、積み立て投資は継続した方がいいだろう。初めての下落相場で慌てているかもしれないが、積み立て投資が一番効果を発揮するのが、まさに相場が下落した時だもしここで投資を止めてしまうと、せっかく安く投資できる機会を失ってしまう。
市場にある程度の上下動はつきものだ。しばらく苦しい局面が続くかもしれないが、長期的に見た場合、早いうちに本格的な下落相場を経験した方がいいかもしれない。
ただ相場が気になって「夜も眠れない」ような場合には、明らかにリスク許容度を超えていると思われるので、ポジションを減らした方がいいかもしれない。

Aiブームは続く

半導体株が失速していることから、Aiブームも早くも終了かと思いがちかもしれないが、多分まだ入り口の段階にも達してないだろう。昨今のAiブームは、ちょうどインターネットが普及し始めた1995年ごろと雰囲気が似ている。
当時も猫も杓子もインターネットとWindows95に熱狂した。しかし実生活でネットが本格的に普及し始めたのは、ドットコムバブルが崩壊し、ADSLが普及したあとの2003年ぐらいからだ。そしてiPhoneが登場したのが2006年だ。SNSが本格的に普及したのはその後だ。今や世界の政治を左右するようになったSNSも、高々10年ちょっとの歴史しかない。
また株価という意味で言うと、世間がGAFAとかGAFAMとかマグニフィセント・セブンとか騒ぎ始めたのは、2016年以降だ。
そう考えるとAiブームは、今後20年以上続くビックトレンドの入り口に過ぎないと考えている。
因みにWindows95が発売された当時、天下はIntelのものだった。Appleは倒産寸前だった。Googleは起業もされてさえいなかった。NVIDIAは、創業間際の弱小チップメーカに過ぎなかった。
そう考えるとAi革命の真の勝者となる企業は、これから世界のどこかで起業されるのかもしれない。そして、それが米国だとは限らない。
想像しだすとワクワク感がとまらない。
20年後はどんな世界が待っているのだろうか。








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