【解説】ベルソムラについて
こんにちは！
今回は睡眠薬「ベルソムラ」について、
新人看護師さんでも理解しやすいように解説します。
この薬は最近よく使われるようになってきたので、
看護師国家試験や臨床現場でも役立つ知識になるはず！ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ベルソムラってどんな薬？
ベルソムラ（一般名：スボレキサント）は、
不眠症（insomnia）の治療に使われる薬です。
不眠症といっても
・寝つきが悪い（入眠困難）
・夜中に何度も目が覚める
・朝早く目が覚めてしまうなど、
いろいろなタイプがあります,
ベルソムラは、
これらの睡眠の問題を改善する効果があります。
ベルソムラの特徴
睡眠薬と聞くと、「依存が怖い」「効きすぎて翌日まで眠気が残る」というイメージがあるかもしれません。
でも、ベルソムラは少し違います。
ベルソムラの主な特徴は次のとおりです。
1. 脳内のオレキシンをブロックする新しいタイプの薬
従来の睡眠薬（例えばベンゾジアゼピン系）は、
脳の（GABA受容体）に作用して神経を抑えることで
眠気を引き起こします。
一方、ベルソムラはオレキシンという物質を
ブロックすることで、自然な眠りを促します。
※オレキシンは、覚醒状態を維持するために必要な
神経伝達物質の一種です。
2.依存性が低い
ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて依存性が
少ないため、長期間使いやすい薬です。
3.翌朝の眠気が少ない
薬の効果が体に残りにくいため、
翌朝のだるさや眠気が軽減される傾向があります。
ベルソムラの作用機序
では、ベルソムラがどのように作用するのか、
少し詳しく見てみましょう。
1.オレキシンは脳内で「目を覚まそう！」と信号を送る役割を持っています。
2.ベルソムラは、このオレキシンが働くのを邪魔します。
3.結果、脳は「覚醒」から「睡眠モード」へ
スムーズに移行します。
ポイントは、自然な眠りを誘うことです。
従来の睡眠薬のように無理やり脳を「シャットダウン」
するわけではないんですね。
ベルソムラの使い方
患者さんにベルソムラを処方する際は、
次の点に注意しましょう。
・服用時間
就寝前30分に服用します。
特に「床についても寝られない」という人に効果が期待できます。
・飲み忘れた場合
寝る直前なら飲んでも大丈夫ですが、
夜中になってしまった場合は
次の日に眠気が残る可能性があるため、
服用を避けるのが基本です。
・食事との関係
空腹時に飲む方が効果が出やすいです。
食後すぐに服用すると、
薬が吸収されにくくなることがあります。
ベルソムラの副作用
どんな薬にも副作用はつきものですが、
ベルソムラの副作用は比較的軽いものが多いです。
ただし、注意が必要なものもあるので、
押さえておきましょう。
1.翌朝の眠気や倦怠感
翌日に眠気が残ることは少ないですが、
体質や生活習慣によっては起こる場合があります。
2.悪夢や生々しい夢
一部の患者さんから、
「夢が鮮明になった」という報告があります。
これも副作用の一つです。
3.まれに起こる副作用
意識が朦朧とする（もうろう状態）や、
歩行障害といった症状が現れることがあります。
患者さんが異変を感じた場合は、
服用を中止し医師に相談してください。
ベルソムラの禁忌・注意事項
ベルソムラを使えない場合や、
慎重に使用すべきケースもあります。
・禁忌
重度の（肝障害）がある患者さんや、
オレキシン系にアレルギーがある人は服用できません。
・注意事項
他の睡眠薬やアルコールとの併用は、
過剰な眠気や意識低下を引き起こす可能性があります。妊娠中や授乳中の患者さんには慎重に対応しましょう。
現場での注意ポイント
新人看護師さんが
現場で覚えておくべきポイントをまとめました。
1.患者さんに服用時間を説明する。
「寝る直前ではなく、30分前に飲んでください」と
具体的に伝えるとわかりやすいです。
2.翌朝の状態を確認する
「眠気が残っていませんか？」
「目覚めはスムーズでしたか？」など、
患者さんの反応をチェックしましょう。
3.副作用についてのフォロー
特に悪夢や眠気が続く場合は医師に報告が必要です。
患者さんから不安の声があれば、
丁寧に対応しましょう。
まとめ
ベルソムラは、依存性が低く、
安全性が高い新しいタイプの睡眠薬です。
看護師として知識を持っておくことで、
患者さんに適切な説明やサポートができるようになります。
睡眠薬は、
患者さんの生活の質（QOL）に大きく関わる薬剤です。
ベルソムラをはじめとする薬の知識を
しっかり身につけ、臨床現場で活かしてくださいね！
最後に復讐問題を国家試験風に作ったので
みんな解いてみてね！
必修問題（3問）
問題1
ベルソムラ（スボレキサント）の
作用機序として正しいものはどれか。
1. GABA受容体を活性化させる
2. オレキシン受容体を遮断する
3. セロトニン受容体を刺激する
4. ドーパミン再取り込みを阻害する
問題2
ベルソムラを使用する際の
投与タイミングで適切なのはどれか。
1. 就寝直前
2. 起床直後
3. 食後すぐ
4. 日中の任意の時間
問題3
ベルソムラの適応症として正しいものはどれか。
1. 不安障害
2. 睡眠障害
3. うつ病
4. 注意欠陥多動性障害（ADHD）
一般問題（2問）
問題4
ベルソムラの副作用として最も注意すべき症状はどれか。
1. 低血糖
2. 反跳性不眠
3. 昼間の眠気
4. 血圧低下
問題5
ベルソムラの特徴として適切でないものはどれか。
1. 依存性が低い
2. 高齢者にも比較的安全に使用できる
3. 睡眠の質を改善することを目的とする
4. 即効性があり、服用後すぐに効果が現れる
文章問題（1問）
問題6
Aさん（65歳、女性）は、不眠を訴えて受診し、
ベルソムラ（スボレキサント）が処方されました。
Aさんは、「睡眠薬は依存するのが怖い」と心配しています。また、朝起きた後に眠気が残ることがないかも気にしています。
設問1
Aさんの不安を軽減するために、ベルソムラの特徴について適切に説明する内容はどれか。
1. 「ベルソムラは脳の興奮を直接抑える作用があり、非常に強力な睡眠薬です。」
2. 「ベルソムラは自然な眠りを促す薬で、依存性が低いとされています。」
3. 「ベルソムラは短期間の使用を前提とした薬で、長期使用は推奨されません。」
4. 「ベルソムラは朝の眠気を完全に防ぐ効果がある薬です。」
設問2
Aさんに伝えるべきベルソムラ服用時の注意点として
適切なのはどれか。
1. 「服用後は必ず8時間以上の睡眠時間を確保してください。」
2. 「就寝1時間前に服用すると最も効果的です。」
3. 「眠気が強い場合は2錠まで服用できます。」
4. 「服用を中止しても反跳性不眠の心配はありません。」
解説
必修問題
問題1： 正答は「2」。ベルソムラはオレキシン受容体拮抗薬で、オレキシンの作用を抑制することで睡眠を促します。
問題2： 正答は「1」。ベルソムラは就寝直前に服用するのが適切です。
問題3： 正答は「2」。ベルソムラは不眠症などの睡眠障害に対して処方されます。
一般問題
問題4： 正答は「3」。ベルソムラの副作用として、翌日の眠気や倦怠感が挙げられます。
問題5： 正答は「4」。ベルソムラは服用後1時間程度で効果を発揮するため、「即効性がある」とは言えません。
文章問題
設問1： 正答は「2」。ベルソムラはオレキシン受容体を遮断し、自然な眠気を促す薬で、依存性が低いことが特徴です。
設問2： 正答は「1」。ベルソムラ服用後は、8時間以上の睡眠時間を確保することが推奨されます。睡眠不足の状態で起きると、翌朝に眠気が残る可能性があるためです。
最後まで見てくれてありがとうございました。
正解できた人は「スキ」かこの記事を紹介してくれるととても嬉しいです!!
また見にきてくださいね！！！