<本と映画の答え合わせ>第23回「怒りの葡萄」
【本】
〇タイトル:怒りの葡萄
〇作者:ジョン・スタインベック
〇感想:
・「父親を葬ることができるのは息子だけ」この言葉が一番心に残っている。自分にとっても故人である父親を思い出し、そして将来同じ立場になるであろう息子を目の前にしてつくづくこの言葉に同感する
・最後のシーンをはじめ、死があるからこそ生がある。困窮にもめげない世代に亘る人間の逞しさがスタインベックの朴訥であり、力強い文章によりひしひしと伝わってくる
・人間はどのような環境におかれてもやっていける、生命力の強さと希望を感じた
・アメリカ中西部から西部の景色が目に浮かぶ。ルート66に沿って現在のアメリカ横断ドライブをしてみたい
〇評価:◎
【映画】
〇怒りの葡萄(1940年)
〇監督、主演:ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ
〇感想:
・白黒画像を通じて、3輪の改造トラック、キャンプ地等当時の様子が伝わってくる
・事前に本を読んでいたことから、内容を必死に追う必要もなく当時の映像および本(原作)の内容がいかに描かれているか楽しめた
・原作を時間内でうまく展開しており、タイトルにある「怒り」も伝わってくる
〇評価:◎
【総合】
〇感想:
・あらためて資本主義について考えた。資本家と労働者つまり搾取する者とされる者、1世紀近く経った現在においても根本的なところは変わっていないのかもしれない
・現在、時折目にする「ビジネスと人権」についても突き詰めていくと「資本主義=搾取するものとされるもの」に行き当たるのではないか
・資本主義の根底は変わらないのであるから、いかに搾取される者の権利が守られるか、大切にされるかということであろう