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ローマ観光は何日必要?「ローマは3日で十分」は本当なのだろうか

世界屈指の観光都市ローマ。

この街を訪れたいと考える方がまず悩まれるのはそのスケジュール設定だと思われます。

早速ですが今回の記事ではそんなローマにおけるおすすめ滞在日数についてお話ししていきたいと思います。

「ローマは3日で十分」は本当か?

ネットで「ローマ 観光 何日必要」で検索すると、よく出てくるのが2泊3日という日程です。

そしてこの3日間をベースにモデルプランが組み立てられているのですが、正直、私にはこれがかなりカツカツで逆にもったいない日程だなと感じてしまいます。

一例を挙げてみましょう。

大手旅行会社のVELTRAさんの「ローマ観光のモデルコース!3日間で巡る絶対に行きたいスポット17選」という記事です。

1日目のモデルコース
午前: バチカン美術館
午後: スペイン広場
夕方: トレビの泉
夜: パンテオン
2日目のモデルコース
午前: ナヴォーナ広場
午後: 真実の口
夕方: コロッセオ
夜: ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂
3日目のモデルコース
午前: フォロ・ロマーノ
午後: パラティーノの丘
夕方: チルコマッシモ
夜: ヴェネツィア広場

VELTRA「ローマ観光のモデルコース!3日間で巡る絶対に行きたいスポット17選」

このルートを見る限り、さすが大手の旅行会社さん、実に効率よくローマの目玉を抑えているなと感嘆してしまいます。

この記事内でも、

美しい街並みと歴史的な建造物が魅力のローマ。この記事では、ローマを訪れる際の参考になる3日間のモデルコースをご紹介します。バチカン美術館からコロッセオ、トレビの泉まで、ローマで外せない観光スポットから、穴場スポットまで効率よく巡ることができます。

VELTRA「ローマ観光のモデルコース!3日間で巡る絶対に行きたいスポット17選」

と述べられるように、実に効率的です。たしかにこれなら3日でローマを巡ることは可能です。

ですが、私はあえて言いたい。

「3日で効率よく回れるとして、だからといってローマが3日で十分となるのだろうか」と。

これです。私がこの記事で言いたいのはこれに尽きます。

この記事を読まれているということはきっと皆さんもローマに何日滞在しようか悩まれているのではないでしょうか。

そして様々なサイトの記事を読んだ結果大体の記事が3日、さらには急げば2日もあれば十分という言葉を目にすることになるのではないでしょうか。

ですが私の経験上、2日や3日はかなり厳しいです。

と言いますのも、私は2019年に5日間、2022年には10日間ローマに滞在しました。

2019年に関してはバチカンだけで5日間です。この時はローマ市内を巡ることを私は放棄しました。バチカンに専念するためです。朝から夕方までずっと美術館とサン・ピエトロ大聖堂にいたのです。それでもバチカンはまだまだ日数が足りないと感じたほどでした。

バチカンひとつ見るだけでこれだけ時間がかかるのです。

もちろん、私は僧侶という立場上、観光というよりも研究目的でバチカンを訪れたという事情もあります。ですがそれを差し引いてもバチカンは5日間こもってもまだまだ飽き足らない素晴らしい場所だったのです。

効率よく観光名所を数日間で回ることはたしかに可能です。ですが、だからといってそれでローマは数日では十分ということにはならないのです。

そこで私が提案したいのはプラスαの空白のスケジュールです。

たとえば上で紹介した3日間のスケジュールですが、これはこれで全く問題ありません。正直、効率の点では完璧です。ですがそこに1日、できれば数日、空白の日を加えるのです。

こうすることで3日の間に気に入った場所を再訪する余裕や、さらに行ってみたい場所に足を延ばすことが可能になります。こうして時間に縛られない自由な時間を設定するのです。この自由な時間を楽しむことこそローマの究極の過ごし方になります。

「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、これはローマだからこそ重要なことなのです。

私はローマ以外にもミラノやフィレンツェ、ヴェネツィアも訪れましたが、ローマほど滞在すればするほど味が出る街はありません。

ローマに行かれる方は周遊でフィレンツェやミラノ、ヴェネツィアを訪れる方も多いかと思います。

そうなるとたしかにローマに割ける時間というのは2日か3日しかないというのも仕方のないことなのかもしれませんが、そこに落とし穴があります。

有名な観光スポットを急いで見て回っておしまいはあまりにもったいない!少しでも気に入ったものがあればぜひ再訪し、じっくり味わってほしいです。こんなに味がある街を私は他に知りません。私はこれまで世界一周の旅やヨーロッパの旅を通して様々な街を巡ってきましたが、ローマがベストです。

せっかくイタリアに行くのだからミラノもフィレンツェもヴェネツィアも全部見たいというのはものすごくわかります!ですがそちらに日程が割かれてしまうとローマの魅力を味わうチャンスも失われるのです。

ローマの街には至る所に素晴らしい教会があります。傑作を展示する美術館も多々あります。

しかも数日ローマを巡れば街歩きもだんだん慣れてきます。このローマに慣れてからの街歩きがなんと幸福なことか!

気の向くままに歩けばいいのです。ローマはそれだけで最高に楽しめる街です。あれもこれもと急いで有名スポットを巡り記念写真を撮ることが目的になってしまったら本末転倒です。

有名スポットの写真ならすでにネット上に大量にあふれています。ですが、ローマの街を自分の思うままに歩くことはあなた自身の体験です。これが旅の最高の記念ではありませんか。これぞローマの旅です。

なので私は「ローマは3日あれば十分」とはどうしても思えません。

「3日あれば回れるが、十分ではない」

これが結論です。

私はローマが大好きです。今回の記事では個々のおすすめスポットは紹介しませんでしたが、ローマ旅行は3日では足りないということをぜひ声を大にして伝えたい所存でございます。

最後になりますが、ぜひおすすめしたいローマのガイドブックをいくつか紹介します。

石鍋真澄『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』

ローマの魅力を堪能するのにこれほど優れた作品は存在しません!それほど素晴らしい作品です。

「本書によってローマの魅力を会得した読者は、熱い旅心を呼び覚まされるにちがいない。」

まさにこれです!この本を読むとものすごくローマに行きたくなります!そして観たい場所が一気に増えるので旅行スケジュールがパンパンになること間違いなしです(笑)

塩野七生、石鍋真澄『ヴァチカン物語』

上の『サンピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』はローマ全体の最高の解説書でしたが、本書はローマカトリックの総本山、バチカンを知るためのおすすめガイドブックになります。

バチカンといえばサン・ピエトロ大聖堂。その美しさたるや、言葉にできません。

この本ではそんなバチカンの歴史とこの圧倒的建造物の美しさの秘密について解説していきます。

この本ではまず『ローマ人の物語』の著者である塩野七生氏によるバチカンのエッセイから始まります。とてもわかりやすく、入門者でも楽しく読み進めることができます。

そしてこの本の中盤からはバチカンの歴史とその美しさの秘密を石鍋真澄氏が解説していくのですが、この解説がとても刺激的でものすごく面白いです。バチカンの素晴らしさはどこにあるのか、その背後にどんな思想が込められているのかがよくわかります。

『地球の歩き方ローマ2018~19』

私はこの『地球の歩き方』に度肝を抜かれました。

これまでも私は海外に行く度に『地球の歩き方』にお世話になっていたのですが、この2018~19年版『ローマ』はその中でも飛び抜けて充実した旅ガイドになっています。

私はこの『ローマ』版を買う前にすでに『イタリア』版を買っていました。と言いますのも私はローマだけではなくミラノやフィレンツェ、ヴェネツィアなどいくつもの都市を巡る予定があったからです。

ですが、最初はこの『イタリア』版で十分だったのですがローマを学べば学ぶほど行きたい場所が増えてきたのです。しかもベルニーニゆかりの地や文学ゆかりの地となるとかなりマニアックな場所も出てきます。

そうなると『イタリア』版では対応しきれません。

そこで改めて『ローマ』版を買って見てみるとそれらマニアックな場所もばっちり収録されているではありませんか!

地図もしっかり細かい所まで掲載されていますし、解説も充実しています。これは素晴らしいガイドブックです!

その他ローマのおすすめ本はこちら

この記事は当ブログで紹介したローマ関連のおすすめ本をまとめた記事になります。

ローマは知れば知るほど面白い!

何も知らずただ漠然と現地に行くだけでもローマは楽しめますが、その背景を知ればもっと楽しめること間違いなしです。これらを読めば私が「3日では足りない」と言う理由もわかると思います。

おわりに

私はローマが大好きです。

ミラノもフィレンツェもヴェネツィアも素晴らしいのは重々承知!ですが私はやはりローマが好きなのです!

これから先私はお寺の事情もありローマに行けることはかなり先、いやもう2度とないかもしれませんが、私のローマへの愛は変わることはないでしょう。それほど素晴らしい街です。

ぜひ皆さんもこのローマの街に少しでも長く滞在してみてください。日数で悩んでいるならば行ける限りの最大日数を費やすことを強くおすすめします。私は10日間いても全く足りませんでした!「あれもこれも」と他の街に振り分けてしまうのはおすすめしません。ローマはそれほど奥深い街です。この記事が皆さんのお役に立てますことを願っております。

次の記事では今回の問題提起をふまえて私のおすすめする穴場スポットをご紹介します。

ローマ観光といえばバチカン、コロッセオ、フォロ・ロマーノ、真実の口など有名どころがありますが、これらは予約が必要であったり、大混雑でもありますので気楽に再訪というのはなかなか難しいという現実があります。

なのでそれよりもふらっと訪れることができてさらに予約も不要な再訪向きの穴場スポットをこの記事では紹介しています。一般的なモデルルートでは出てこない場所もありますが、私が自信を持っておすすめする素晴らしい穴場スポットです。ローマ滞在中私もそれこそ何度も何度も通った場所です。ぜひ参考にして頂けましたら幸いです。

さらに以下の記事ではローマ観光におすすめのホテルをご紹介しています。

ローマには無数と言ってよいほどホテルがあり、その宿選びに迷われる方も多いことでしょう。私もその一人でした。ですが二度のローマ滞在を経ていくつものホテルに泊まった結果、上の記事で紹介するウナホテルが圧倒的におすすめできるという結論に至りました。ぜひ皆様のローマ滞在の役立てて頂けましたら幸いです。

そしてまたもうひとつ。バチカン美術館を最高に楽しむのためのおすすめ方法を以下の記事で紹介しています。

この記事では大混雑を回避して静寂のバチカン美術館を楽しめる極意をお話ししています。また、バチカン付近のおすすめホテルや絶品エスプレッソを楽しめるお店も紹介していますのでぜひご参照ください。

また、以下ローマに関する当ブログのおすすめ記事のリンクを掲載します。こちらも参考にして頂けましたら幸いです。

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