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天使?死神?コルテオさんとの出会い
こちらの記事は、以下の記事の続きです。
マリアと名乗る女神に力を授けてもらって以降、私は“彼ら”の影響を全くと言っていいほど受けなくなった。
また、私の霊体の外側にはバリアが張られているため、その効力のおかげでもある。
“彼ら”はそれぞれ違う世界を生きている。
白か黒か、0か100か決められないように、光と闇、あるいは陰と陽にも、その間には無数のグラデーションが存在している。
翌日、一人の男性が私のもとを訪れた。
神々しい光が眩しく、一瞬天使が舞い降りてきたのかと思った。
「はじめまして、お嬢さん。
私はコルテオと申します。」
「は、はじめまして……」
「貴女に頼みたいことがあります。
どうぞ私の部屋へ。お連れします。」
コルテオと名乗る男性はやわらかく微笑んだ。
この男性が危険な人でないことは明白だった。
そのまま肩を抱き寄せられ、気付いた時には彼の部屋にいた。
部屋を見渡した私の率直な感想は「ゴージャス」だった。中世ヨーロッパの貴族の部屋はこんな感じかもしれない……なんて思った。
しかし後に聞くと、地球転生はしておらず、他の星はいくつか経験しているという話だった。
きっとどこぞの星の影響に違いない。
「私は、主に地球の方々が亡くなられた後に進んでいただく幽界への案内人をしています。」
「それは俗に言う『死神』では?」
「天使も死神も同じものです。その方にどのように映っているか、それだけの違いです。」
ああ、なるほど。
業を背負えば映るは死神、というわけか。
「貴女にはこの仕事を手伝っていただきたいのです。これまでの貴女の実績は、全て把握しています。」
「お断りします。それは霊能者の仕事であり、私のやることではありません。そもそも私は、魂の意志を聞いてしまったが為に、やらなければならないことが山ほどあります。」
私は即答でお断りした。
生を終えた者の導きをこんなド素人に頼むというのは、どういう了見か。
しかしきっとあちらの世界も人手不足なのだろうと、若干の憐れみすら覚えた。
ついでに言うと、家族に無断でアイドル事務所に履歴書を送られ、うっかり審査が通ってしまったアイドル(卵)の心境に近いものを感じた。
あちらの世界のネットワークは凄まじい。あっという間に知れ渡っている。まるで履歴書の回し読み状態だ。
「私がガイドになり、貴女を全面的にサポートします。やらなければならないことの妨げにはならないはずです。」
とまあ、あまりに食い下がるので、私はひとまずコルテオさんの話を聞くことにした。
決めるのはそれからでも遅くない。
つづく
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雪乃🌹