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双方の強みと弱みは互いに補完し合っているか?

スタメンの長尾です。
エンゲージメントプラットフォームSaaSのアライアンスをやっています。
いつもお世話になっている、パートナーセールス研究会のアドベントカレンダーに寄稿させていただくことになりました。

偶然にも投稿日が、私の誕生日(11月21日)と重なりました。
スキをくださいとか言わないので、是非一読いただけると嬉しいです!

はじめに

今回は界隈で有名なアライアンス本、野本遼平さんの「成功するアライアンス戦略と実務」を読み返して感じたことを記載します。アライアンスを立ち上げた1年半前に読んだ時と大分違った印象を覚えました。


こちらの著書では、アライアンスの実施目的に応じて、外部から経営資源を獲得することがアライアンスだと説明されています。経営資源は全部で6つとされています。

■アライアンスの対象となる経営資源
(1)人材資源
(2)技術資源
(3)生産資源
(4)販売資源
(5)ブランド資源
(6)財務資源

参照:「成功するアライアンス 戦略と実務」P39


今回は、実際に自分たちで手をチャレンジしてみたり、他のパートナー様のお話を伺う中で感じたことを、上記に合わせて振り返ってみます。

(1)人材・組織資源

人材が潤沢でないフェーズなどで、販売代理までお願いできる商材であれば有効かもしれません。ただし、よほど説明しやすい商材でない限り、販売代理まで構築するのは一定時間がかかると感じています。

また説明の容易さと単価はトレードオフになっていることが多い印象なので、低単価の商材だとパートナー様にとってfeeの面で魅力度が下がる可能性が高いです。その場合、他の観点で魅力を補う必要があると思います。

因みに我々は商材の説明難易度などの要素もあり、販売代理までは辿り着いてないです。。

(2)技術資源

SaaS企業が締結するアライアンスの多くは、技術資源を元に何かしらの経営資源を獲得してることが多いと思います。基本的には、マーケットの業務オペレーションが蓄積されていくのがSaaSの性質です。プロダクトだけでなく、オエレーションも含めて技術資源が蓄積されています。技術資源の獲得により、パートナー様単体だと実現が困難な価値提供が可能になります。

我々はあるコンサル会社様と協業しています。コンサル会社様が設計した人事制度が運用されないケースがあったのですが、運用を支援するツールとしてTUNAGをご提案・お取次いただいています。まさに単体では実現困難な提供価値をクリアにした例だと考えています。

現在、一部の企業様とOEMの取り組みを行っています。これは特に「技術資源」の提供という色が強いアライアンスです。そのため、条件面などの整理は非常に重要になります。

(3)生産資源

※SaaSの場合はこちらは該当しづらいと思うので割愛します

(4)販売資源

紹介、取次代理だとこの「販売資源:顧客チャネルなど」の獲得目的でのアライアンスが最も多い印象です。

ITツールの導入にあたって直販から買う割合は3割、残る7割は代理店・金融機関・コンサル会社から購入するというデータは有名だと思いますが、まさに日本ではこの商習慣があるため販売資源の獲得が重要になると思います。

我々の商材はノンデスクワーカーがメインターゲットであるため、地方のお客様が非常に多いです。また商材の性質上、経営者の方が決裁される事が多いです。ただデジマだとどうしても限界があるので、地方で盤石な顧客基盤を持つパートナー様にお力を貸していただいています。

(5)ブランド資源

自社サービスの認知度が低い場合、ブランド資源(=信用)の獲得も重要だと考えます。同じサービスであっても、誰が提供するかで受注率は一定違いがあるからです。(例:iPhoneはappleが売ってるから売れるのであって、そうでなければあそこまで売れてないと思います)

我々は地方銀行様にも大変お世話になっており、受注率も直販の約2倍あるのですが、これもまさにブランド資源の恩恵を大いに享受していると考えています。地方では地方銀行様の信用力は絶大です。その分、パートナー様のブランド資源を毀損しないような細心の注意も求められます。

そういう意味でも、地方銀行様のお作法などの理解は非常に重要になります。ネットプロテクションズのTaku Yokoyamaさんのnoteがおすすめです。

余談ですが、直販(≒デジマ)でのCPAが安いのであれば、アライアンスの魅力は半減することもありそうです。ある有名なSaaSサービスだとブランド力(=認知度)が高いため、直販とアライアンスのCPAがほぼ変わらないと聞いたこともあります。この場合、ブランド資源を獲得する理由が薄まります。

直販CPAとの比較は常にした方が良さそうです。因みに、我々は直販のCPAの約半分になります。

(6)財務資源

※こちらはまだ経験したことがないので割愛させていただきます。(いつかは合弁会社を作るなどもチャレンジしてみたい)

まとめ

自社とアライアンス先がどのように補完し合えてるかは、普段から意識することが大事だと感じています。借りてる資源が何かを意識すれば、資源をお借りしてる瞬間はより慎重に扱うようになると思います。
逆に提供できてる資源が何かを意識すれば、提供資源を利活用できる情報は最大限提供すると思います。

https://biz.trans-suite.jp/64627

一方で、相手に依存しすぎるのもリスクだと感じています。実際に昨年あったのですが、HR業界の一部で変化があったことで、HR系のパートナー様の動きが鈍化しました。依存していたわけではなかったのですが、コントロールできない領域があることを身をもって体感しました。何事も同じですが、持続的な経営をするためにも、一部のパートナー様だけに依存しすぎないのも重要ですね。

この考え方は直販/アライアンスの売上構成比に関しても同様だと考えます。(資源が一定コントローラブルであれば比率が偏っても問題ないと考えます)まさに明日の合宿で来期の戦略を話すので、自戒の念を込めて書いてます。

自分のことは棚に上げて少々偉そうなことを書いてしまいましたが、、あくまで一つの考えとして受け取っていただけると幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
これまで沢山の人に情報"資源"をいただいてアライアンスを形にしてきました。我々も道半ばですが、可能な範囲でお力添えできればと思うので、いつでもお声がけください。

スタメン 長尾




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